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2−2
「分かってんならコイツら止めろ!!」
「やぁよ」
「なっ」
素っ気なく答えて、ミフユは淡々とグラスを磨き上げていく。
ゲイバーに来ているのはそっちの方なんだから、救ってやる義理もないというものだ。
「そんなことよりボトルの一本や二本入れなさいよ、枝豆ばっか食ってないで」
「くそ……とんだセクハラバーだ……」
ビール!とやけくそに頼んでくる伊吹のオーダーに「はいはい」と適当に答え、冷蔵庫を開ける。瓶ビールの中身をグラスに注ぎながら、キャストに揉まれている旧友をちらりと横目に見た。
(不思議な感じだわ……伊吹ちゃんが目の前にいるなんて)
再会することなんて、ないと思っていた。
彼の、怒りっぽい顔と喋り方も、シンプルなスーツを纏う締まった体も、ほとんど変わらない。
八年前にタイムスリップした気分だ。……自分のほうは様変わりしているけれど。
「おい如月……どっか他に場所ねぇのかよ? こんな騒がしいトコじゃおちおち話もできねえ」
注いだビールをカウンターに置いて、サービスのつまみを添えると、ミフユはふんと鼻を鳴らした。
「閉店後にでも時間取ればいいでしょ? アタシだって皆の前で物騒な話なんてしたくないわよ」
「おま……じゃあ俺ぁ閉店してから来ればよかったじゃねぇか!」
「知らないわよ。
ま、ちょっとくらいお店にお金落としていきなさいな?
うん。そうしましょ。こっちにもそれなりに旨みがなきゃ、相談には応じないわ」
「俺を誰だと思って!」
キレかけた伊吹を遮るように、モモが会話に入ってきた。
「ねえねえ! 師走さんってミフユ姉さんとどんなご関係なんですかぁ?」
「ああ?」
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