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10 【完】

 暴れる伊吹の体を軽々うつ伏せにひっくり返して、ぽかりと開いたままの孔に自身を添える。  「十年分のアタシの愛を受け取ってよね♡ 一晩じゃ到底収まんないけど――よかった、まだ大晦日もお正月もあるわよね!  年を跨ぎながらじっくり伝えてやるから、覚悟して♡」  「ふざけんじゃねー何回ヤるつもりだテメェは!?――待て待て入ってる入ってるなんでもうそんなガチガチで、ヒッ……!」  十年越しでようやく実った愛は留まることを知らず、結局年を跨いで三ヶ日の間じゅう、辺り一帯に嬌声が響き渡ったのだとか……。  しかしあいにくバー・【大冒険】はその間休業中だったため、実際のところを知るのは当事者の二人だけである。  ともあれ。  美冬と伊吹はこうして結ばれ、末永くど突き合いながら、楽しく暮らしていくのだった。  紆余曲折あれど、終わりよければすべてよし。  今日も新宿歌舞伎町のどこかでオネエとヤクザが皆に囲まれて、賑やかに愛を結んでいる。              《おしまい》

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