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第1話(攻略キャラに会った)
「葵~!俺と一緒にもう少し寝ようぜ~!」
「兄さん、早く起きないと朝飯食いっぱぐれるぞ」
「俺は良いけど葵が食べられないのは駄目だな」
「オレは兄さんと一緒に食べたいから毎日起こしに来るんだが?」
「そうか!ならすぐに着替えるな!俺は葵と居たいからな」
そう言って兄さんは赤い着物に着替え始めた。
兄さんは葵に甘々なので何を言ってもラブラブコーセンがくる。
(ゲームの時から思ってたけど兄さん葵にどれだけデレデレなんだろう?他の人と居る時とかなり性格違うんだよね。けど、コレって確か無意識なんだよね)
「待たせてごめんね?葵」
「いや?そんなに待ってないぞ?それより、兄さん午後から出かけるんだろう?何時からだ?」
「一時から出かける。そうだ!葵も来いよ紹介したい奴がいるんだよな」
「分かった、兄さんがそう言うなら行こう」
「今日は葵と1日ずっと一緒だな。そうだ朝の挨拶を忘れる所だった!葵、おはよう」
「兄さん、おはよう」
“チュ、クチュウ~、チュ、クチュウ、グチュ、チュ”
「ん、兄さん!長い」
「ん~?だって葵をもう少し感じてたい」
「ほら、挨拶も終わったんだ朝飯食べにいこう?」
挨拶とは、キス(しかも、ディープキス)の事でゲームにもよく出てきた。
今の私がよくキス出来たな!と思った人がいると思うが私は葵に成っているからか普通の感覚で出来た。
(多分、人を殴ったりも普通に出来るんだろうな)
龍蓮花家の朝は結構忙しい。
朝、ご飯を食べる。
軽い運動。(空手等の組み手をゆっくりやる)
お風呂に入る。(広い!案の定、兄さんと一緒)
組の構成員達に挨拶。(朝礼みたいなもの)
私達は、学生なので勉強や宿題をする。
本格的な運動。(試合形式で戦う)
また、お風呂(以下略)
体は慣れているけど私の精神が疲れた。
お昼ご飯を食べたあと兄さんと出掛けた。
(攻略キャラの誰だろう?)
「葵、着いたぞ?」
「兄さん、オレに紹介したい人は?」
「ああ、あそこに居る奴だよ」
(あ、まさかの最初に隠しキャラ!!)
「悪い待たせた。お前には今日俺の可愛い弟に会わせようと思ってな」
「お前の弟?」
「ほら!葵」
「ああ、始めまして。オレは龍蓮花 葵という、そこに居る紅の弟だ。まさか学園の有名人に会うとはな」
ふわりと笑って葵の台詞を言う。
(この時、葵って他に何か言ってた?それとも何かやってた?)
「、、、、。」
「?どうかしたか?」
この時私は困った顔をして首をかしげた。
この時私は葵って何したっけ?と考えていたので自分の行動が人にどんな影響をおよぼすか分かっていなかった。
「俺の弟、可愛いだろ?」
「ぐぅ、、すまないな。ぼくは、菊水 紫(きくみず ゆかり)だ。こちらこそよろしく頼む」
「!?あ、ああ!兄さんがわざわざ紹介したい人と言っていた人だ。兄さんの大事な人なのだろう?」
私の記憶では紫は最初に葵に会った時の態度はかなり悪かった。
『、、、。菊水 紫』
葵を睨みながら兄さんに聞こえない声で言う。
『、、、。紅の弟?はっ、こんなのが?』
それでも葵はよろしくと言う。(カッコいい笑い方で言ってた!)
『何でぼくが?、、、ぼくは紅以外どうでもいいよ。もうぼくに話し掛けないで』
こんな態度だった。
紫は隠し攻略キャラで他の攻略キャラをクリアしてから攻略可能になる。
紫は忍者の末裔で自分の主(紅)を探している。そして自分の主以外には冷たく無関心。
元々クールな性格をしているので兄さんにもクールで無表情に接してくる。
兄さんは紫のミステリアスで憂いのある顔を快楽で溶かすのが好きで主に意地悪エッチ担当である。
なので何故か少し柔らかい態度で返事を返してくれた紫に顔がにやけるのが止まらないのでかなり変な顔をしていただろう。
≪紅!お前の弟大丈夫か?あんな可愛い顔をして襲われたらどうするんだ!≫
≪葵の奴、ふにふに笑って可愛い!大丈夫だ、紫。俺の宝に手を出したら、、、分かってるだろ?≫
なので小さな声で兄さん達がこんな話をしていたのを私は知らない。
「兄さん、これから何処に行くんだ?」
「今日は俺のもうひとつの家に行く」
「な!紅!お前!今日は葵がいるんだぞ?」
「!オレの事、葵って言ってくれんのか!ならオレは紫さんと呼んでも良いか?」
「ん!、、、別にいいけど」
「葵、俺は紫と話があるから葵には夕飯を頼む!その後は本でも読んでゆっくりしてろよ?」
「分かった、兄さん達の話が終わるまでゆっくり休んで待っている」
そう言って夕飯の材料を買ってもうひとつの家に向かった。
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