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第8話(鈴の兄さんと私 そのニ)「バレた!」

今、私は教室に居るけど反応は昨日とあまり変わらない。 嫉妬などの視線が刺さるだけだ。 (兄さん達は心配してたけど、確か葵虐め事件は何日か立つまでは次の事件が起きなかったんだよね。紫さん達にも昨日の事を話しておくって言ってたけど、何するつもりなんだろう?) 「あいつ、紅様の弟だってよ」 「マジかよ!いつも怖い顔したあいつが、あのカッコ良くて麗しい紅様の弟?」 私はここで吹き出して笑わなかった私を褒めたい。 (兄さんが麗しい!こいつらバカかな?あ、バカだった!) 「授業を始める!席に着け!」 先生が来たので私は真面目に授業を受ける事にした。 お昼になってご飯を食べたあと、少し散歩をしに裏庭を歩いてた。 (ここら辺は誰も来ないんだよね。少しゆっくりしよう) 「~、ーー~、ーな、ーだから~、ー」 少し歩いていたら声が聞こえたので、声のする方に向かった。 (あの声、鈴の兄さん?ここで何してるんだろ?) 「ー、好きだよ」 “チュッ、クチュッ、クチュッ、チュッ、” 鈴の兄さんが誰かにキスをしている。 (鈴の兄さん、また情報収集かな?、、、、知ってても胸が痛いな。今、私絶対に酷い顔してる。こんな顔、鈴の兄さんには見せられないな) 「ん。じゃ、またね」 どうやら終わったみたいだけど、私はまだ動けそうにない。 「さっきからそこに居るのは誰だ?」 「!、、、あ」 「って、葵ちゃん!もしかして、ずっと見てた!、、、うそだろ、」 「、、、、、」 私はまだ酷い顔をしているだろうから顔を上げられない。 それを変に思ったのだろう鈴の兄さんは私の顔を優しく持ち上げた。 「葵ちゃん?どうしたの?具合悪、、、、葵ちゃん、その顔」 「あっ!、、、離してくれ!何でもない!」 「そんなはずないだろ!葵ちゃん、もしかしてさっきの奴を好きなのか?」 「違う!オレが好きなのは!、、、あ、何でもない。すまない、鈴の兄さん」 「、、、あ、葵ちゃん!」 私は全速力でそこから逃げた。 (ああー!どうしよう!家に帰ったら鈴の兄さん居るんだった!どうしよう、絶対にバレた!鈴の兄さんが好きだってバレた!) 放課後になったみたいだけど私は、いま逃げた先に合った空き教室に居る。 ちなみに、午後の授業はサボった。 (家に帰らないと、兄さん今頃私と帰る為に門の所で待っているんだろうな、白兄と鈴の兄さんと一緒に、、、どうしよう、行きたくない) “ガラガラガラ” 「ほら、早く入れよ!」 「お前が誘ったんだろ?」 「ここなら誰も居ないから恥ずかしくないだろ?」 「オレ達お前の為に探してやったんだぜ?」 「やだ!ボクは、誘ってなんかない!誰か!助けて!」 「だから、誰も来ないよ」 私はテーブルの下に居たので気がつかれなかったみたい。 四人組が一人の男の子に群がってるのが見える。 四人組が男の子にナニをしようとしているのかは一目瞭然だ。 (あー!イライラしてきた!私は悩んでるのに!あいつらぶっ殺す!)

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