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第16話(菫、助けて!ってそっちもか!)

お昼休みに菫に会う為に人があまり居ない廊下を歩いていると、いきなり顔にめがけて刃物(手のひらに隠れそうな小さなナイフ)が飛んで来た。 避けたけどいきなりだったので避けそこなって頬に少し(ほんのうっすら血が出たくらいの)怪我をした。 犯人は解らないけどクスクス笑う声が三人くらい居たのでそいつらだろう。 そこから少し警戒しながら菫に会いに向かう。 私は菫に会いに向かったはずなのに途中で鈴の兄さんに捕まった。 (アレ?何で私鈴の兄さんに捕まってるんだろう?私は菫に会いに行こうとしたはずなんだけど、、、) 「葵ちゃん、考え事?けど、オレの質問にも答えて?もう一度言うよ、誰が葵ちゃんの顔に傷を付けたの?」 私の現実逃避は失敗したみたいだ。 そう、鈴の兄さんが私の姿を見た瞬間こうなった。 (鈴の兄さん、目と声がヤバい!私には優しくしてるけど犯人の事を頭の中ではどうしてるの!、、、いや、私の為に考えるのはよそう) 「犯人は解らないんだ。いきなりコレが飛んで来たからな。だが、そのあとに三人の笑い声が聞こえたから多分そいつらじゃないか?」 「コレで葵ちゃんの頬に傷を付けたんだ?、、、葵ちゃん、大丈夫?他には何もない?」 「ああ、大丈夫だ」 私はナイフ(ちゃんと拾っといた)を鈴の兄さんに渡して答えた。 意味深な顔(カッコ良くてドキドキした)をしながらナイフを見たあとに、心配そうにしながら私の頬の傷を見ていた。 「本当に大丈夫か少し調べるな?」 「は?何いって、ン!っ、ふっ、ンン、ん~、ンっはぁはぁ、、、」 「口は特に調べないとね?」 「なっ!鈴の兄さん、なにっ、ン~」 鈴の兄さんが私にキスをしながら腰や首もとを優しく触れてくるので、ぞくぞくするのが止まらない。 ただでさえ鈴の兄さんのキスは腰を抜かすくらい上手い。 それなのに優しく腰や首を触ってくるので私は鈴の兄さんにしがみつく事しか出来なかった。 (菫、助けて!死ぬ!恥ずかしい、恥ずか死ぬ!菫~) 「葵ちゃん、何か合ったらちゃんと言う事。分かった?」 「ハァハァ。わ、分かったから、もう、止めてくれ、ンっ、ぁ、それ、いやだ、鈴の兄さんっ」 「っ、分かった。止めるからその顔を誰にも見せないでね?、、、(オレの理性もヤバいし)」 「?、、分かった。鈴の兄さんにしか見せる訳ないだろう?オレにこんな事するのは鈴の兄さんくらいだ」 「あー!心配!自覚して!葵ちゃん凄く可愛いから!」 「??、、、可愛い?」 「もう、その顔が、、、葵ちゃん、頼むからオレ達以外にはいつもみたいに笑わないでね?」 「分かった」 そして私は保健室まで連れていかれた。 保健室に入ろうとしたら菫と灰炉がこっちに向かって来る。 「菫!、、、お前その腕は、、、」 「葵ちゃん!その顔の傷、、、」 そこまで行って私達は気づいた。 傷ついている、どう見ても刃物の傷、隣は恋人、少しふらついている。 イコール、大体私と同じ事が起きた。 (菫、お前もか!菫も気づいてると思うけど私もだよ!) 「あー、大丈夫か?」 「う、うん。葵ちゃんも?」 「ああ、そうだ」 「葵ちゃん達、早く保健室に入って手当てしよう?」 鈴の兄さんに言われ私達は保健室に入った。 保健室の中には、兄さん達が全員いた。 (兄さん達、私の怪我見て固まってる。、、、顔がだんだん怖くなっていくんだけど) 「鈴、説明して?」 「オレも葵ちゃんに聞いた事くらいしか解らないけど、、、」 鈴の兄さんが説明している。 多分、次は灰炉が説明するんだろう。 (兄さん、それはお願いじゃなく命令だよね?みんなが一切喋らないのも怖い!) 菫と目が合う。 菫も私と同じ気持ちの様だ。 (早く終わってくれないかな、、、怖い!)

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