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17.5話(その頃の夫達)
紅視点
菫に怪我させたのは以前、菫を襲った奴らだと分かったが、葵の方はまた分からなかった。
葵の方は候補が多過ぎて絞れ無かったので、紫と緑と鈴の能力で探してもらっている。
(俺の葵に怪我させてただで済むと思ってんのか?殺すなんて優しい事なんてしてやらねぇ、生きながら地獄に落としてやる)
「引き続き紫と緑と鈴矢が探すという事でいいな?」
「ああ」
「なら、戻るぞ。葵達が心配だ」
「ちょっと待て。鈴と灰炉に少し聞きたい事があるから二人は残ってくれ」
「なら、わたし達は先に戻ってからな?」
「おう。葵達を頼む」
俺達三人だけになった。
鈴矢視点
「で?紅はオレ達二人に何を聞きたいんだ?」
「菫が心配なんで早くして下さい」
「ああ、分かった」
紅は真剣な顔で話した。
「お前達、何処までいった?」
「何が?」
「葵と菫と何処まで進んだ?」
「な!」
「紅!何を聞いてんだ!」
何を聞かれるかと思ったら真剣な顔でそんな事を聞いてきた。
「結構、真剣な話しだ。菫の方は知らないが葵は俺や幼馴染みのお前らと過ごしてたんだぜ?男同士がどうやるかなんて知ってる。けど、葵自身は男と付き合うのは初めてだ」
「菫だって初めてだ」
「なら、葵と同じか。男と付き合うのは初めてなんだ、早急に進めてないよな?」
なるほど、紅が何を聞きたいのかが分かった。
(紅は本当にブラコンだな。オレの事を信頼してないわけではないだろうが、葵ちゃんの事になるとどんな事だろうと把握していないと気がすまないんだろうな)
灰炉視点
紅さんに引き留められ真剣な顔で聞いてきた事に驚く。
鈴矢さんがその質問に答えた。
「あのな紅、オレは葵ちゃんの事をどれだけ大事にしてるか忘れてんのか?」
「そうは思ってねぇけど確認だ」
「はぁ、、、。好き過ぎてキスくらいしか出来てないし、葵ちゃんには怖い思いをして欲しくないから、葵ちゃんの覚悟が決まるまで待つつもりだよ」
「灰炉、お前は?」
鈴矢さんの話を聞いて紅さんが何を聞きたいか分かった。
「、、、。オレも鈴矢さんと同じっすよ。菫が大事だから菫の嫌な事はしたくないですし、菫が覚悟出来るまで待つつもりっすよ。お兄様にも念を圧されてますから」
紅さんはオレ達が暴走してあの二人を泣かす様な事をしてないかを確認したかったみたいだ。
(お兄様にも約束してんだ。それにオレ自身が菫の事を泣かしたり怖がらせたりする事はしないと決めてる。やっと菫をオレの恋人にしたんだ、誰が怖がらせて逃がすか!)
紅視点
一応確認したかっただけなので、この二人が葵達を泣かす様な事をするわけがないのは分かっていた。
「灰炉、別に俺達に無理して敬語を使わなくって良いぞ。それと、お兄様ってなんだ?」
「あ、オレもそれ聞きたい」
「お兄様ってのは紫さんが菫と付き合うなら自分の事はお兄様って呼べ、呼ばないなら菫と付き合う事を認めないって言ったから呼んでるだけだ」
「紅、紫の奴お前と同じレベルのブラコンじゃないか?」
確かに俺はかなりのブラコンの自覚はあるが、感情をあまり見せない紫がそこまで言うって事は紫もかなりのブラコンなんだろう。
「、、、。紫の奴、大丈夫か?菫と同じくらい葵の事を気に入ってるみたいだが?」
紫の方が暴走しないか?
同じ事を思ったんだろう二人は少し汗を流してる。
「まぁ良い、、、。戻るか」
俺達は葵達が待っている保健室に向かう。
保健室に着くと葵と菫が可愛い顔をしながらみんなに撫でられていた。
勿論、俺達も混ざって葵達を撫でた。
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