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第35話(誰も助けてくれない)

今、私は兄さんと鈴の兄さんに挟まれてベッドに座っている。 私の目の前には白兄が椅子に座っていて絶対に逃げられない感じになっていた。 「で、葵ちゃんもう一度聞くけど誰の事が結構好きなんだ?」 「綺麗な人って言ってたよな、葵?」 「、、、。」 「紅、鈴矢、それでは葵が話せないだろうが」 その時、白兄が救いの神に見えた。 (目が笑ってない二人に挟まれるのは怖い!しかし、何処から話そうかな?虐めの事は話したくないしな) 「葵、何でそういう話しになったのか話してくれるか?」 「白兄、、、、はぁ、分かった」 私は虐めの事を省いて円鏡さんの事を話した。 「つまり、そいつは鈴矢の事が好きで葵が鈴矢の近くに居るのが気にくわないと葵自身に堂々と言ってきたと?」 「そうだ。オレはああいう堂々としていて綺麗な心を持っている奴は結構好きだからな」 「確かに葵が好きそうな奴だな」 「なら、直ぐにそう話してくれたら良いじゃないか?」 「それは、、その、、」 暗と菫は私が何を思って直ぐに言わなかったのか察して声に出さないで応援してくれてる。 (少し恥ずかしいんだけど、言わないとダメだよね?うぅ~、恥ずかしくて顔が赤くなってくるのが分かる) 「、、、あの人が鈴の兄さんの事が好きだという事を言いたくなかったんだ」 「へ?」 「、、、オレだって嫉妬くらいするんだ」 「っ!、、、か」 「か?」 「「「可愛い!」」」 兄さん、白兄、鈴の兄さん、の三人が同時に叫んで私を抱き締めた。 (何か興奮してる!暗、菫、助け、、、二人共、顔を隠して震えてるし!) 「葵ちゃん、可愛い凄く可愛い!嫉妬って、、死ぬほど可愛い!」 「葵、可愛い。お前みたいにこんなに可愛らしい嫉妬をする者は見たことがないぞ」 「あー、俺の弟ほんっとーに可愛い!鈴が羨ましい!俺も葵に嫉妬して欲しい!」 兄さん達が興奮して私の事を抱きしめたり頭を撫でなり(鈴の兄さん、兄さん、白兄の順で)キスしてきたりするので助けを求める為に周りを見たら、お昼ご飯を買って来た三人もいつの間にか帰って来ていた。 けど、みんな顔を隠して震えていて助けてくれそうにない。 (何でみんな震えてるの?誰でも良いから早く助けて!) {ゴメン葵、それは無理} {私は今、死にそうだから無理。ゴメン、葵ちゃん} {暗、菫!何で無理なの?後、何でみんな顔を隠して震えてるの?} {菫は今、喋るのもヤバそうだから私が教えてあげるね。簡単に言うとみんな悶えてるだけだから} {何で?何処にそんな要素があったの?} {いや~、葵が恥ずかしそうに顔を赤くしながら少し潤んだ目で上目遣いしてあんな可愛い事を言ったらそりゃ、みんな悶えるよ。あそこで悶えてなかったら感性疑うね} {そこまで?そんなに悶える事、、、いや、葵で想像すると確かに悶えるかも} {でしょ!なので今、みんなは葵の事を助けられないんだよ} {え?なら、兄さん達が満足するまでこのまま?} {、、、フッ、頑張れ!} {タメた意味無いよね?しかも最後のはただの応援だよね?助ける気、一切無いよね?} 暗の説明?によればみんな悶えてるらしい。 (確かに顔の見える所を見るとみんな少し赤く見えるような?) 「あー、本当に可愛」 「うわ!鈴の兄さん!急に持ち上げ無いでくれ」 「鈴、次は俺が葵の事抱っこする!」 「紅の次はわたしだからな」 「はぁ、兄さん達もう少しは落ち着いて」 「葵ちゃん、本当に可愛過ぎて心配だな“チュッ”」 「俺の葵が可愛いのは当たり前だろ?だが葵、何か合ったら直ぐに言えよ?“チュッ”」 「葵が怪我や嫌な思いをするのはわたし達にとってはとても悲しい事だからな。葵、何か合ったらちゃんと報告してくれ“チュッ”」 「キスしながら言わないでくれ」 鈴の兄さんと兄さんは頬に白兄は指先にキスしながら忠告めいた事を言ってきた。 その後も誰にも助けられる事が無いまま、兄さん達の気がすむまで可愛がられた。

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