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第42話(再び見る事になった)

疲れて少し寝てしまったけど、兄さん達が帰って来た時にちょうど目を覚ました。 (、、、優しくしてくれたからかな?体、そんなに辛く無いや) “コンコン” 「葵ちゃん、起きてる?」 「鈴の兄さんか。起きてるぞ」 「紅達が帰って来たみたいだからリビングに来てくれる?」 「直ぐに向かう」 私は髪や服を整えてからリビングに向かった。 リビングに行くとみんなが揃っていた。 兄さんが私の元に来て私を抱き上げた(お姫様抱っこだった)後、黒さんの座って居るソファーにそのまま座り(つまり、抱っこされたまま)黒さんに両手のひらの傷を診てもらった。 (兄さん、早い!全て一瞬だったから何も言えなかった) 「黒、葵の怪我は大丈夫か?」 「鈴矢くんの応急手当てのお陰でそんなに酷く無いな。コレなら痛みは二、三日で引くな。けど、両手だから少しの間は不自由な生活になるな」 「怪我が治るまでは俺達が面倒を見るから大丈夫だ。葵、怪我は痛むか?」 「今は少しずきずきするぐらいだな」 「痛みが酷くなったらちゃんと言えよ?」 そう言って兄さんは私が手に巻いて貰った包帯の上から早く治る様にと祈りを込めてキスをした。 (兄さんは心配し過ぎだと思うけど、兄さんに悲しい思いはして欲しくないから痛いの酷くなったらちゃんと言おう) 「みんな飲み物持って来たぞ」 「あ、葵ちゃんのはストローのあるコレね?」 「ありがとな、菫」 暗と菫がみんなに飲み物を持ってリビングに来たので私はテーブルのある椅子に座り直してストローで飲み物を飲んだ。 (あ、私の好きなアイスココアだ!美味しい!) 「美味しいか?作ったのは菫だ」 「ああ、凄い旨い。菫、ありがと、、、菫?」 「へ?あ、ゴメン、聞いてなかった」 「何か考え事か?良かったら言ってくれ」 「あー、、、実はコレを持って来ちゃったんだけど、、、どうしようかと思って」 菫が持って来たのはあいつらの妄想日記だった。 (再びコレを見る事になるとは思わなかった) 「おまっ、何て物を持って来たんだ!」 「うわぁ、、、良くソレ持って来られたな」 「ボクも持って来ようと思って持って来たんじゃないんだよ」 「なら、なんで持って来たんだ?」 「実は、、、」 話を聞くと、兄さん達があいつらを処分、、、掃除をする所を菫達に見せない様にする為に菫達は廊下に出されたらしい。 廊下に一番最初に出た菫は妄想日記が落ちてるのを見つけてしまった。 関係無い他の人が誤って読んだら可哀想なので拾ったけど、兄さん達は掃除をしているから教室には戻れない。 暗には明さんがベッタリくっついてたので話しかけるのを躊躇われた。 菫には灰炉さんが側に居たが、流石にコレ(妄想日記)の事を恋人に言うのは躊躇った。 なので、そのままここに持って来てしまったらしい。 (まぁ、確かにコレの中身を知ってると言いづらいよね) 「それなら仕方ないな。オレもコレの事は言いづらいからな」 「明がうざったく、くっついて来なければ菫はそんな汚い物をずっと持っている事無かったかも知れないんだ。ゴメン」 「別にボクが勝手に拾っただけだから謝らないで良いよ」 私は妄想日記を見てある事を思い出した。 「そういやぁ、コレの最後の部分に、」 「葵ちゃん、ソレは何?」 「菫が持って来たみたいだが」 「その本、何か面白い事でも書いてあんのか?」 鈴の兄さん、白兄、兄さんの幼馴染み組が私達の近くに来て聞いてきた。 他のみんなも私達の事を見ている。 (兄さん達はタイミングが良いのか悪いのか分からないな。けど、どうせ説明しないといけなかったから良いか)

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