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第43話(妄想日記には重要な事が書いてある)
私は妄想日記を菫から受け取り鈴の兄さんに渡した。
鈴の兄さんに渡したのはこの三人だと調べものは基本的に鈴の兄さんがやるからだ。
兄さんや白兄に渡してもどうせ鈴の兄さんが調べる事になるので二度手間にならない様に最初から鈴の兄さんに渡したのだ。
「あの五人組が書いていたやつだ。かなり気持ち悪いから気をつけろよ、鈴の兄さん」
「あの五人組が?気をつけてって何が書いて、、、」
喋りながら妄想日記を開いて少し読んだ鈴の兄さんは眉間にシワを寄せた。
(そんな顔になるよね。分かるよ)
「、、、、。」
「鈴?何が書いてあんだ」
「、、、気持ち悪い」
「鈴矢があんな顔して読んでるソレがかなり気持ち悪い物なのは分かった。だが、何かあるから葵はその本を渡したのだろう?」
「ああ、白兄の言う通りだ。読んで欲しい所は最後の方に書いてる愚痴の所だ」
そう言って鈴の兄さんが持っている妄想日記のそのページを開こうと思って妄想日記に触ろうとしたら鈴の兄さんが私の手を避けた。
「え?鈴の兄さん?」
「こんな気持ち悪くて汚い物を葵ちゃんに触って欲しくない」
「何が書いてあったんだ?鈴」
「、、、オレ、紅、緑、白銀、黒先生、紫の六人にされたい事が書いてある」
鈴の兄さんが妄想日記の中身をみんなに説明すると妄想日記に書かれていた兄さん達は顔をしかめた。
「気持ちわりぃ」
「何て事を書いてんのそいつら気持ち悪い!ボクの事を洗脳して何するつもりだったの!」
「何だ、その女達。わたしが赤の他人になんでそんなに優しくしたければならない」
「優しくするなら葵くん達にしたいな」
「調教、、、」
みんなかなりのダメージを食らったみたいだ。
(仕方ないけど、読んで欲しいのは違う所なんだよね)
「鈴の兄さん、最後に書いてある奴の五ページくらい後ろに愚痴が書いてあるんだ。それを読んでくれるか?」
「五ページくらい後、、コレか」
“あいつらムカつく
分かる!私達の方が黒先生も白銀様も愛してるのに!
あっちは明無先生や灰炉とかを好きって奴らもいるけどな
紅様達が一番だろう!
そうだよな!あいつら何も分かって無いんだよな!”
「あいつらって他にも居んのかよ!」
「しかもオレの事も書いてある」
「私の事が好きだと言われても私は暗しか愛さないけどね?」
「鈴の兄さん、最近のを読んでくれ」
「最近の、、、コレか」
“なぁ、知ってるか?あいつらが紅様の弟を攻撃したやつ!
何それしらな~い
私も知らない
オレも知らない
俺も知らない
なら、教えてやる!そいつら紅様の弟にナイフを投げて怪我させたらしいぜ!自慢してたからな!”
「、、、あいつらを消す前に吐かせないとならねぇ事が出来たな」
「葵ちゃんにナイフ投げて頬に怪我させた奴か」
「緑、あいつらの記憶を観てくれるか?」
「はい!ボクが念入りに観てあげますね?紅先輩」
「ああ、頼む」
「、、、鈴の兄さん、最後のページを読んでみてくれ、声に出さずに」
「最後のページ?、、、、!」
「どう思う?」
「コレは、、、紅」
「ん?なんだ?」
「最後のページを読んでみろ」
兄さんは妄想日記を鈴の兄さんから渡されて言われた通りに最後のページを読んだ。
(あ、兄さんに読まれたらヤバい!、、ってもう手遅れか)
「、、、なんだよコレ!」
「紅?なにが書いてあったんだ?」
「簡単に言うと俺らの近くに居て可愛がられてる葵が気に入らないから俺らの側に行かない様に何かしようってのが書いてあった。その何かは書いてないけどな」
「はぁ?」
「オレだけの問題じゃない。暗や菫の事が気に入らない奴らも何かしようと言ってたからオレにも何かしようって書いてあったからな」
「「なっ!」」
「暗も!」
「菫もか!」
「何か対策をしておかないとならないな」
その後、みんなで話し合いをしたけど、まだ何かをされて無いので対策しようにも出来ない。
なので、決まった事はなるべく一人で居ない様にする事っていうものだけだ。
(菫だけ一人クラスが違うけど、私達が直ぐに近くに行けば問題無いだろうけど、菫と友達だってバレちゃうなぁ、、、まぁ、緊急事態みたいなモノだし仕方ないよね?)
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