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第2話

最悪な一日と言うのは本当に最悪なものだと苦笑いを浮かべて学校から寮に戻る道を歩いていた。 授業ではすべての時間で先生に指され、しかもそのどれ一つにも答えられず、廊下を歩けば面倒な奴に絡まれ、放課後には担任から手伝いを頼まれ、気が付くと太陽もとっくに落ちた時間になっていた。 最悪な時には最悪が続くもので…。 通学路でありながら生徒の一人もいない道で待ち伏せしていたかのように、背後から声をかけられた。 「ねぇ、お兄さんかっこいいね。おじさんといい事しない?」 振り返ると気持ちの悪い笑顔を向けながら中年のオヤジが近付いて来た。 その笑顔にゾッとするモノを感じ、無視して早足で通り過ぎようとする。 しかし、瞬間腕を掴まれ、身体中の毛が逆立つような不快感とやばいと言う焦りに頭が混乱する。 振り解こうとするが、しっかりと握られた手首はびくともせず、嫌がる僕を力任せに引っ張るようにして歩き続けた。 この先にある公園、通称ヤリ公園が目的地であり、そこで何をされるのか理解している分、必死にそいつから逃げようと抵抗するが、その僕を上回るほどの力というより欲望の力によって全く相手にならない。自分一人の力では無理と結論付け、必死に人影を探すが絶望的なほど見つからない。近所には家もなく、学校にいるはずであろう教師には到底声は届かないところまで来てしまっていた。 遂に目の前に公園が見え、このままでは本当に思っていた事が僕の身に起きてしまうと頭も身体も混乱し、遂にはその恐怖から身体が震え出した。 それを掴んだ腕から感じ取った男が、ヒャーハッハ!と下卑た笑い声を上げる。 悔しさと絶望と自分の不運さに無意識に目が潤んで景色がぼやけていった。

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