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『敵わない』
二度としないと本気で思うのだが、思った次の瞬間に――狙ったかのように――酷く甘やかされる。
そして許す。
海輝が最初から錦に許されると分かってやっている事も錦は知っている。
さらにそれを海輝が理解している事も。
結局敵わない。
なんだか腹立だしいと思いつつ許してしまう。
惚れた弱みとは言えこれはポンコツと言われても反論できない。
我ながら単純極まりないと自覚はあるが、海輝に宥められて甘やかされると結局何をされても許してしまう。
しかし今日は何時もと違った。
宥められずただ追い詰められて泣かされて、それでも止めて貰えず気を失うまで嬲られたのは始めてだった。
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