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『蜜壷を掠めた』

 強い刺激を避け、錦に負担をかけない様に細やかな動きをしていた指が、少しずつ強さを増す。  そっと叩くように撫でていた指先が粘膜をグッと押した。  指を曲げる角度が大きく変わり、中も大きくうねる。  粘膜が海輝の指に絡みつき、その動きを追いかけ取り縋る。 「んっ、ぅうっ」  海輝の指の腹が小さな蜜壷を掠めたとき、腰が大きく跳ねた。 「あっ、あぁ!」  指を鈎状にし中を掻き回し指の腹で叩き突いて、抜き差しを繰り返し内部を往復する。  幾度目かの電流が爪先から脳天を走り、壊れた玩具の様に体全体が跳ねる。  海輝が抱き込み体を抑え付けピストンの速度を上げていく。 「あっ、あぁんぁあぁやっあぁ」 「感じるって言ってごらん。口に出すともっと気持ち良くなれるよ」 「あっ、か、感じる……指、凄く……っは、始めて、なのに……」  音を立てながら出入りをしていた指が止り、第一関節まで含ませて腹の方へ少しずつ力を込める。  粘膜が指に従い、柔らかな弾力を包む。  薄い壁越しに意識を飛ばした領域へ進む。

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