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第七章・8
「丈士、さぁん。今、今は動かないでぇえ」
「イッてる最中だから?」
ひくひくして、すごく具合がいい。
そう耳元でささやくと、七瀬は再び精を吐いた。
「も、ヤだ。ぅあぁあ……!」
「せっかく体拭いたのに、また汚れたな」
「フツーに喋りながら、ズンドコ腰動かすの、やめッ!」
「怒ったのか?」
「怒ったよ、ぷんぷん!」
じゃあ、これで機嫌を治せ。
丈士は、七瀬の体内に解放した。
「あぁ、あ! お、奥まで、届いてるぅう!」
何だろ。
甘い。
悪党のはずの丈士さんのタネが、今夜はひどく甘い。
「甘くて、ちょっぴり酸っぱくて。はぁあ、何か、切ない……」
そして、ぎゅっと抱きしめてくれる腕が、優しい。
「丈士さん、大好き……」
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