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第2話

生徒会side 最初は誰が言ったのだろうか? ヒカリから離れようだなんて。 「本当に誰が言い出したっけぇ?」 「忘れた」 「僕じゃないですよ?!僕は後から聞きましたし!」 「ヒカリちゃんってば疑った事は許してくれたけどー、前みたいに近寄ってこないしぃ、あんまり目を合わせてくれなくなったんですけどー」 「チッ」 「あ!思い出した!かいちょーの提案だった気がする!!」 「会長、責任」 責任を取れと言う事だろう 「俺じゃない」 「あっれー?じゃぁ、誰だっけぇ?まぁ、それよりさー最近では、あの平凡と付き合い出したと言う噂まで出ているそうですよ」 「あ、それ!俺も聞いたー!!」 「不愉快」 「くそっ…」 コンコンコン 室内にノックオンが響いた 「話中にすまない」 入ってきたのは風紀委員委員長だ 「なんの用だ?」 「来月のイベント時の風紀の配置だ」 「早っ」 「お前らとは出来が違うのでな」 「受け取らせてもらう」 風紀委員長からプリントを受け取り内容を確認し判子を押す 「けどまさか、風紀委員長が我々に協力してくれとは思いませんでしたね」 「?…あぁ、暴行の件か」 「何故協力してくれたのですか?」 「あれは煩すぎる。黙らせるには自身を失くさせるのが一番だ」 ああ、思い出した。 ヒカリから一旦離れてみる方がいいと言ったのは 「お前だったな」 「何がだ?」 「何でもねぇよ」 「そうか、なら俺はそろそろ失礼する」 「忙しい」 「ああ。少し馬鹿共に仕付けをせねばいかんからな」 「ふーん。風紀委員長ーも忙しいんだねー。頑張ってー」 「ああ、ありがとう。あと、噂は本当らしいぞ。東ソウタ本人から聞いたから間違えない」 「「「「え?(は?)」」」」 「ではな」 バタンっ 「ちょ、爆弾発言なんですけどおおおお」 「嘘…最悪」 「ありえないです!」 「チッ…ゆるさねぇ…」 風紀side 昔から、自分が中心にいなきゃダメ!と言う奴が大嫌いだった 何故かはわからない。多分人間的に合わないのだろう。 高校に上がって三年目を迎えた時、そいつは現れた 美しい容姿とは逆に性格は酷かった。 親友だといいながら、その親友を見下したように接し その親友以外は美形で固め、まるで自分が特別である様に話し、接する。 苦手なタイプだと一瞬で把握した。 関わらないでおこうとしたが、風紀に彼関連の事件と言っても些細な事だが…とりあえず仕事が増えた どうにかして彼の暴走を止めらだろうか? 暫く考えてから答えは出た あんな自信満々でいるんだ、自身を失くさせたら少しは静かになるだろう。   「ヒカリちゃんにも愛してもらいたいよねぇ」 「一方通行、寂しい」 「確かに…俺たちだけってのは面白くねぇな」 生徒会室で副会長以外が例の彼の話をしているが気にせず入室して、今月の報告書を手渡す 「男が男の尻を追って何が楽しいんだ?しかも、あんな煩い奴。あれは、社会では通用しない大人にしか育たんぞ」 「関係ないですぅ、ヒカリちゃんは側にいてくれるだけでいいんですぅ!」 こいつらも多分ろくな大人には育たんだろうな。 「相手の愛を確かめたいなら、引いてみることだな」 「引く?」 「ああ、押してダメなら引いてみろ。ってやつだ。丁度いい、あいつじゃない他のやつを好きになったフリをしたらヤキモチでも妬いてくれるんじゃないか」 「…わかった。俺、やる」 「え!?決めんの早っ」 そんな感じで、あいつの周りから生徒会はいなくなり1人となった。あいつが生徒会に飽きられた事はすぐ学園内に広まり、あいつの同室者が悲劇のヒロインみたいになった。 前よりも学園内が静かになったので、誰がどうなったかだなんてどうでもいい。 最近、彼と彼の同室者が付き合いだしたそうだ。 そして、彼は変わってしまった。 まぁ、俺には関係のない事だ。 ただ、もし俺が彼に一番最初に手を差し伸ばしていたら何か変わっただろうか? 「な、なぁ、もういいだろ!?俺たちは退学でいいから!もう、解放してくれよ」 「もう、無理…限界。ゲームと離れ離れとかキツい」 「こんな時までゲームかよw」 泥だらけで、アザだらけの3人の男が床に転がってる 「まだ、冗談とか言えて笑える元気があるのか… 彼は知られたくないから誰にも言わなかったみたいだが…俺は見たからな」 そう、見ていた。 嫌がる彼を無理矢理押し倒し、汚したのを見ていた。 まさか、あそこまでするとは思わなかったし、流石に助けようとも思った。 が、アレが珍しく泣いていたから。 「嫌だっ、やめろ!気持ち悪いっ」といいながら悔しそうに泣いていた その泣き顔にゾクゾクとしたのだ。 もし、あの顔にさせたのが自分だったなら… 「…お前らも、彼と同じことされてみるか?ちょうど3人、人を呼んでいるんだ」 そう言えば床に転がっていた男達は青ざめた顔をしだした。   お前たちの泣き顔も彼の時みたいにゾクゾクとさせてくれるのだろうか? さぁ、思う存分と泣いてくれ。 そして彼みたいに助けを呼べ。 『や、だぁっ…誰かっ、助けろよぉおお!助けて、やだ、気持ち悪い!お願いっ、誰か助けて下さぃぃ』 確かめたいんだ、あの時の気持ちが何だったのかを。

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