11 / 11
第11話
「なんで」
ようやく声を発した司は、いつもよりも下っ足らずな言葉を出した。
「でてないのに……、体あつい。ぜんぜん、ひかない。こわい」
ついに、決壊した瞳から大粒の涙がこぼれ、正平は青ざめる。正直ここまでするつもりはなかったのだ。実は途中から目は覚めていたが、あまりに可愛いことをするものだから、ちょっと意地悪してやろうと思っただけだったのだ。
まさか、言葉攻めを受けながら、いわゆるメスイキと思われる絶頂を迎えるとは、露程も思わなかった。
「司、大丈夫だから」
萎えていない司のそれに触れ、会陰から亀頭に向けて、ゆっくりと手を動かすと、甘い嬌声を上げ始める。それを何度か繰り返してやると、射精での絶頂を思い出した体は、司を苛む。
「ん、駄目、駄目……」
「違うだろ、そういう時は、何て言うんだ?」
「あ、あ……」
「わかるよな?」
「い、く……いっちゃう」
「うん」
「正平の手で、あああっ……」
勢いなく、白濁したそれを解放する。その後も同じように扱いてやると、何度かに回数を分けて、吐精し、正平の手を汚した。
司は刺激が強かったのか、糸が切れたように寝入ってしまい、朝まで目を覚まさなかった。
「お前、いつから起きてたんだ」
次の日、目が覚めた直後、正平は司に問い詰められ、正直に話す羽目になった。しかし、もとはと言えば、自分からことに及んだという負い目を思い出したのか、徐々に大人しくなっていった。
「まあ、昨日も言ったんだけどさ、俺はやっぱお前がいいんだよ」
「…俺だって、そうだっての」
司は、白いシーツにくるまりながら、笑った。
ともだちにシェアしよう!