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第11話

「なんで」  ようやく声を発した司は、いつもよりも下っ足らずな言葉を出した。 「でてないのに……、体あつい。ぜんぜん、ひかない。こわい」  ついに、決壊した瞳から大粒の涙がこぼれ、正平は青ざめる。正直ここまでするつもりはなかったのだ。実は途中から目は覚めていたが、あまりに可愛いことをするものだから、ちょっと意地悪してやろうと思っただけだったのだ。  まさか、言葉攻めを受けながら、いわゆるメスイキと思われる絶頂を迎えるとは、露程も思わなかった。 「司、大丈夫だから」  萎えていない司のそれに触れ、会陰から亀頭に向けて、ゆっくりと手を動かすと、甘い嬌声を上げ始める。それを何度か繰り返してやると、射精での絶頂を思い出した体は、司を苛む。 「ん、駄目、駄目……」 「違うだろ、そういう時は、何て言うんだ?」 「あ、あ……」 「わかるよな?」 「い、く……いっちゃう」 「うん」 「正平の手で、あああっ……」  勢いなく、白濁したそれを解放する。その後も同じように扱いてやると、何度かに回数を分けて、吐精し、正平の手を汚した。  司は刺激が強かったのか、糸が切れたように寝入ってしまい、朝まで目を覚まさなかった。 「お前、いつから起きてたんだ」  次の日、目が覚めた直後、正平は司に問い詰められ、正直に話す羽目になった。しかし、もとはと言えば、自分からことに及んだという負い目を思い出したのか、徐々に大人しくなっていった。 「まあ、昨日も言ったんだけどさ、俺はやっぱお前がいいんだよ」 「…俺だって、そうだっての」  司は、白いシーツにくるまりながら、笑った。

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