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最終話

 身体に力が入らなくて、靖満に体重をすべて預けてしまうことが心苦しくもあったけれど、靖満はしっかりとリーネを抱き締めてくれていた。奥に注がれた精にうっとりと酔いながら、靖満のペニスの感触を味わうことは、あまりにも贅沢で幸せな時間だった。 「……りいねの尻、ずっと俺のしゃぶっててたまんないんだけど……わざと?」  耳元で低く甘い声が問いかけてきて、リーネは慌てて顔を上げた。 「そん……わ、わざとじゃないです……っ」  焦るリーネとは対照的に、靖満は微笑んでいて、リーネはいっそう恥ずかしくなる。目を背けても、靖満の吐息すら聞こえるほどに何もかもが近かった。 「……顔も、身体も、声も、中身も全部めちゃくちゃ可愛いの、ほんと天才的……」  独り言のように靖満は呟いて、リーネの腰を抱き寄せながら、耳や首に唇を当ててきた。まだ情交の熱を残した口づけに、リーネは軽い目眩を覚える。 「俺もう、全部りいねに搾り取られるかも……」 「え……っ」  思わず声を漏らすと、靖満はくつくつとおかしそうに笑った。 「そんな不安そうな声出さなくても、ちゃんとりいねにご飯あげるって言ったじゃん」 「あ……は、はい」 「りいねといつでもセックスできる生活とか、夢みたいで浮かれてるから……、ごめん」  そう言って靖満は、ちゅ、と唇に軽い口づけをしてまた微笑んだ。その笑みがひどく優しくて、リーネは胸が苦しくなる。 「……靖満さんも、俺とえっちするの、嬉しいって思うんですか……?」  そうであってくれたらいい、と思いながらおずおずと訊くと、靖満は意外そうな顔をしてリーネを見た。 「嬉しいも何も、こんなの男の夢だろ。めちゃくちゃ可愛くて、めちゃくちゃえろい子を独り占めして、しかも中出しし放題とか」  靖満の声には力がこもっていたが、リーネにはぴんと来なかった。どう反応すればいいのかわからずにいると、靖満は苦笑してリーネの頬に触れてくる。 「……こんなやらしいのに、なんでそんな男に疎いかなぁ」 「すみません……」 「違うよ、りいねが俺しか知らないのすげー嬉しい。りいねはりいねのまんまでいいから、これから……もしケンカすることがあっても、うちにいて俺の精子で食事してほしい……いい?」  靖満のどこかぎこちない言葉に、もしかしたら靖満も緊張しているのかもしれない、と思う。自分にそんなふうに気を遣う必要はないのに、と思いながらも、靖満のすべてが嬉しくて、リーネは黙って頷いた。 「よかった。……俺、そこまで性欲強い方じゃないと思ってたけど、りいね見てるとたまんなくなるから……嫌なときは怒っていいから」  リーネは瞬いて、そして困惑した。靖満に欲情されて拒絶する理由がわからなかったし、まして怒ることなど到底できる気がしなかった。 「お、俺……靖満さんが俺に食べさせてくれるの、嫌がったりしないです……」 「……寝込み襲われたり、何かしてるときに邪魔されるの嫌じゃない?」 「びっくりはするかもしれないけど……俺、靖満さんにだったらいつでもいいって言ったじゃないですか……?」  そうだけど、と靖満は言って、困ったように眉を下げた。 「……りいね、そんな、24時間いつでも突っ込んでいいみたいな言い方したら、俺勘違いするから……」 「勘違いじゃないです。俺のお尻の穴、靖満さんのおちんちん挿れてもらうためにあるんだから……俺がここに住むってそういうことじゃないんですか?」  リーネはごく真剣にそう訊いたが、靖満は目を丸くしてリーネを見返し、そして長く長く息を吐いた。 「…………りいね」 「はい」 「さすがにちょっとは学習してほしいんだけど……。俺またちんちん痛くなってきた……」 「え……」  ぎゅう、と抱き締められてほとんど身動きの取れないリーネの中で、靖満のペニスはいつの間にかいっぱいに膨らんで硬く張り詰めていた。それを意識すると、どく、どく、と靖満の脈まで鮮やかに感じられて、呼応するようにリーネもまた己の身体が蜜を分泌するのがわかってしまう。 「あー、俺、ほんとにだめかも。りいねに吸い尽くされて空っぽになるかも」 「や、靖満さん」 「ねえ、りいねの腰つかんでめちゃめちゃに突きたいんだけどいい? 激しいのやっぱ痛い?」 「え、あ、え……」 「早く返事してくれないと、俺理性が限界なんだけど。りいねがメスイキしてビクビクするとこも泣いて潮吹くとこも全部見たくなってきた。このまま床びちょびちょになるまで犯していい? だめだったら早く言って」  靖満の言葉にリーネは耳まで赤くなって、返事も何もできなかった。  やがて忍耐の糸の切れた靖満に、リーネが泣きじゃくる羽目になったのは言うまでもない。   end  

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