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「あのさ、真。キスとかしていい?」 今ならキスできるのかなって、思った。 けど、そう言えば。 真は俺とキスしたいって思うのか? 俺に対して性欲ないんだよね? そこで真はまた、予想外の言葉を返してきた。 「別に聞かなくても。俺、妃のこと好きだから、そういうのされたら、喜ぶだけだし」 喜ぶんだ、迷惑じゃないんだ。 なんでだよ。 でも、いいならしちゃうよ。 真の口もとを見上げたら、なんだかキスしたくなるような色気があった。 男らしくて力強そうな横幅の広い下くちびる、やわらかそうで少し淡い赤。 俺、相当過激なコトしてきたけど、恋とかするのは初めてだ。 キスしてもいいのかなって、ドキドキする。 ホントに真が好きだな。 どうしよう、真を間近で見ていられるだけで満足だ。 ドキドキしすぎてうまく体が動かない。 真の肩に手を置いて、ぎこちなく身を乗り出して、自分のくちびるで真のくちびるにふれた。 思った通りやわらかい。 真、見た目は威圧感あるけど、心の中はこんなふうにあたたかい。 ぎこちなかったから体勢がもたなくて、すぐに体を離した。 はじめてキスができて、俺は感動してた。 今までしたくても、絶対にできなかった。 あきらめてたから。 いびつにゆがんだ迷路の中、同じところを一人でグルグル回ってた。 そこから急に、真にこっちだよって手を引かれて、抜け出せた、みたいな。 想像してなかった、こんなの。 どういうことなの。 こんな世界線、知らない。 クソすぎる俺が、こんな世界に来れるなんて。

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