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俺が沈んでるのを察したのか、真がすまなそうに言う。 「ヨリ戻すとか絶対ないから。雰囲気似てるとか意味ないんだけど、気になったら、悪い」 ううん、雰囲気似てるのなんて、気にしてない。 「ちょうど真の好みに当てはまってたなら、俺は単純にラッキーだよ」 似てるから相手にしてもらえたなら、むしろ似ててよかったよ。 あんな完璧な彼女のあとで、ふつう男なんて相手にしないでしょ。 「それより俺の用事も聞いてよ」 この話はなんかヘコむから、終わりにしよう。 今日のボランティア、真には休んでほしいってたのまなきゃいけなかった。 翔麻の母親にまたお茶に誘われるかも知れない。 ああいう場所でそういうのはよろしくない。 けどさ、お茶ですむのかな? 男女なんだからお茶したあとはイイコトしようって、ふつうならない? あれ? そっちが本題な可能性、ある? あの人にとって真は自分の子どもがめちゃくちゃなついてる頼れる男だよ。 色目使ってるようには見えなかったけど、超絶オープンな人で、すでに真のコト気に入って打ち解けてた? なんか。 ふつうにしてたらさ、 男の俺が一番真とイイコトするのムリじゃない? 真の気持ちが全部ホントなのはわかるよ。 俺に好きって言ったのも俺とイイコトしたいって少し思ってくれたのもホントだってわかる。 でも、女の子と付き合ってたのに男とエロいことしようとしたら、ムリってならない? 俺だって万が一好きな女の子とイイコトしようってなったら、もう本気でどうすればいいかわかんないよ? 俺にはそれ、ふつうじゃないから。 好きなんだけどできないゴメンって頭下げるよきっと。 なのに。 俺は相手が男なら好きじゃなくてもできる。 真だって女の子のほうがやりやすいに決まってる。 このあいだ真のキスが熱いと思ったとき、俺が離れなかったら真はどうしたんだろう。 真に全部まかせたら。 もっと熱いキスをしてくれて、俺が脱がなくても俺のカラダにふれてくれたかな。 いや、そういうの考えたくない。 真の器の大きさを探るみたいなこと、したくない。

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