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俺は真を入らせまいと噛み合わせた口を、そっと解放した。 すぐに真の舌が俺の舌に触れて、なでる。 それだけでもう、熱すぎて、気持ちよすぎて、泣きそうになった。 俺はどうすればいいのかわからないのに、真は俺がしてほしいことをわかってるみたい。 口の中の上とか横をくすぐった。 なにこれもう、実質セックスじゃん。 入れられて感じるとか。 キスなのに、どういうことなの。 真はまた舌をからめてくる。 俺の舌もほしいのかな。 俺から舌をからめると、そうだよって言うみたいに真の舌が同じように動く。 よかった、そうなんだ。 真もほしいんだ、 この感じ。 俺も真が、 たくさんほしい。 まだまだ足りないのに、真がゆっくりと俺の中からいなくなろうとする。 もっとほしいと追いかけたけど、またあとでねって言うみたいに優しく触れるキスをして、離れていった。 「イヤだった?」 なにが? 真だってもっと、だよね。 なんでやめるの? ぼんやりと真を見る。 かすかな笑顔、ちょっとイジワルしてるようないたずらな瞳。 ああ、そうだ。 俺、今まで真とはできないって逃げてきた。 ついさっきまで真を拒否してたのに、いつの間にか、こんなに強く真にしがみついてる。 真の背中をつかんだ手を離したら、なんか文句言いたくなった。 「そんなワケない、けど」 イヤだったかなんて、思ってないでしょ。 俺がめちゃくちゃよくなってたの、わかってるくせに。 吹っ切れたかって、聞いてるの? 真は少しまじめな顔になって、口を開く。 「俺、やっぱり妃と、したい」 真はまたそうやって、突拍子のないことを言う。 違う、一瞬頭が真っ白になったけど、 そうなんだろうなって、思ってたよ。 真剣な表情と声で真はうったえる。 「俺は、キスしたり寝たり、そういうのは心底好きなヤツとしかできない。今まで妃がほかのヤツと寝たことは、たいして気にしてない、けど、この先妃がほかのヤツと寝るのは、イヤだ」 心底好き、 気にしてない、 イヤだ。 真の言葉が真っすぐに俺に届く。 全部嘘偽りのない真の気持ち。 真はよごれない。 俺が逃げることのほうが、真の想いを傷つける。

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