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14-2
俺は真を入らせまいと噛み合わせた口を、そっと解放した。
すぐに真の舌が俺の舌に触れて、なでる。
それだけでもう、熱すぎて、気持ちよすぎて、泣きそうになった。
俺はどうすればいいのかわからないのに、真は俺がしてほしいことをわかってるみたい。
口の中の上とか横をくすぐった。
なにこれもう、実質セックスじゃん。
入れられて感じるとか。
キスなのに、どういうことなの。
真はまた舌をからめてくる。
俺の舌もほしいのかな。
俺から舌をからめると、そうだよって言うみたいに真の舌が同じように動く。
よかった、そうなんだ。
真もほしいんだ、
この感じ。
俺も真が、
たくさんほしい。
まだまだ足りないのに、真がゆっくりと俺の中からいなくなろうとする。
もっとほしいと追いかけたけど、またあとでねって言うみたいに優しく触れるキスをして、離れていった。
「イヤだった?」
なにが?
真だってもっと、だよね。
なんでやめるの?
ぼんやりと真を見る。
かすかな笑顔、ちょっとイジワルしてるようないたずらな瞳。
ああ、そうだ。
俺、今まで真とはできないって逃げてきた。
ついさっきまで真を拒否してたのに、いつの間にか、こんなに強く真にしがみついてる。
真の背中をつかんだ手を離したら、なんか文句言いたくなった。
「そんなワケない、けど」
イヤだったかなんて、思ってないでしょ。
俺がめちゃくちゃよくなってたの、わかってるくせに。
吹っ切れたかって、聞いてるの?
真は少しまじめな顔になって、口を開く。
「俺、やっぱり妃と、したい」
真はまたそうやって、突拍子のないことを言う。
違う、一瞬頭が真っ白になったけど、
そうなんだろうなって、思ってたよ。
真剣な表情と声で真はうったえる。
「俺は、キスしたり寝たり、そういうのは心底好きなヤツとしかできない。今まで妃がほかのヤツと寝たことは、たいして気にしてない、けど、この先妃がほかのヤツと寝るのは、イヤだ」
心底好き、
気にしてない、
イヤだ。
真の言葉が真っすぐに俺に届く。
全部嘘偽りのない真の気持ち。
真はよごれない。
俺が逃げることのほうが、真の想いを傷つける。
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