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全身が性感帯みたいにひりひりする。 絶頂は通り過ぎたはずなのに、腕で顔隠したまま動けなかった。 今真に動かれたら、またいきそう。 真は俺が落ち着くまで待っててくれた。 落ち着いてようやく真の顔を見上げたら、いろんなものがこみ上げた。 本物のセックスを、したような。 駆け引きみたいなのがないの、はじめてだった。 体に心が紐づけられたように、感じたぶんだけ涙が、こぼれた。 真はつながった部分をゆっくり引き抜いて、俺の涙とかいろいろ、丁寧にふいてくれた。 そのあとで、立ち上がってけだるげに自分のスキンの処理をする。 あれ? 「真もいったの?」 起き上がって聞いたら、 「ん」 と、短く返事してきた。 体をふいてる真はなんだかおだやかな表情をしてる。 ホントにいったんだ。 なんで? いや、いいんだけど、まだ余裕あると思って。 真が俺を見て、笑う。 「足りないって顔してる」 あぁ、俺、そうだ。 真がまだ満足してなくて、もっと攻められること想像してた。 もっとイイトコに行けると思ってた。 足りない。 どうしよう。 正直に足りないもっとしてって、言っていいの? そんなの真に悪いから、十分だよすごくよかったありがとうって言ったほうがいい? 俺がなにか言う前に、真が俺の横に座ってキスしてきた。 「ごめん、いく気なかったんだけど、妃の声聞いたら急に来た」 なんか、恥ずかしい。 「別にあやまらなくても。俺だっていってるし」 エロい声、出しちゃってた。 足りないってのもバレバレだ。 うつむいたら、抱きしめられた。 髪をなでる、優しい手。 「いく気なかったから、俺もまだ、もの足りない」 耳元でささやかれて、内心舞い上がる。 なんか、前にもこんなのあった、状況が全然違うけど。 俺が進んだ場所に、真が待ってるみたいな。 俺からキスして、舌をちょうだいって挿し入れる。 もうお互い最後まで見せてぐちゃぐちゃに乱れていたから、体に残った汗や唾液や精液なんて気にせずに体と舌をからませ合った。 それから真にもたれかかって、欲情したまま思ったことを言う。 「真、エッチ超じょうずだね」 真は少し照れながら、言葉を返す。 「どこが。俺、妃に合わせてただけだし」 どこがって、全部だよ。 俺なにも、こうしてとかそこがいいなんて言ってない。 真の言葉に納得できないでいると、真が率直に俺とのエッチの感想を述べる。 「多少あせってたけど、なんか、やりやすかった」 やりやすかったって、情緒もなにもないんだけど。 でも、俺もだよ。 あの手この手と考えないで、自分と真に素直になってただけ。 真もかな。 真が俺に合わせて素直になってさっきの感じだったなら、それって。 「相性いいのかな」 体の相性がいいって、サイズが合うことだと思ってたけど、こういうのもあるんだ。 やりたいこと、されたいこと、言わなくても聞かなくても合致する。 「そうだったら嬉しい」 つぶやいたら、真は俺の目を見て、優しく笑った。 「俺も嬉しい」

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