1 / 59
第1話
「母さん聞いて!今日ね…」
『うるさい!話しかけないで。』
記憶の中の母親は、いつも俺に怒っていた。
何かを頑張っても、褒められることは愚か普通に会話をすることさえもなかった。
「母さん、制服のことなんだけど…」
『知らないわよ。それくらい、自分でやりなさいよ。』
最後までは話を聞かない。
俺のことは無視する…。
今までもそれが当たり前だった。
それが悪化しただけ
だから――
「残念ですが…。」
ピーッと高い音が、病室に響く。
それは、死を知らせる音。
この音に、俺は何の感情もなかった。
そして、俺は天涯孤独となった
ともだちにシェアしよう!