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この関係性に名前もつけられず、理由も見つけられないまま。
俺は高遠原相手に、身をゆだねてしまう。
「可愛いな、真冬」
「んっ、あ……っ!」
耳元で囁かれ、恥ずかしさともどかしさでどうにかなってしまいそうだ。
――耳を、優しく噛まれたい。
――乳首だって、触ってほしい。
こんなことをする理由を探求したいのに、体は欲望に忠実だった。
「たか、とお……ばら、ぁ……っ」
情けない声をあげると、高遠原の視線が俺を捉える。
「先週みたいに、名前……呼べよ。そしたら、もっとよくしてやる」
高遠原は、俺がどうされたいのか……きっと、分かっているんだ。
頬にキスを落とされ、俺は首を横に振った。
「み、美鶴っ、美鶴ぅ……っ。ほっぺじゃ、なくて……っ」
「あぁ。……こっちがいいんだろ?」
「やっ、あっ、あぁ……っ!」
自分でもハレンチだと分かっているが、高遠原――美鶴にされると、止められない。
耳朶に舌が這い、歯を立てられる。くちゅり、と、舌が耳を舐める音が聞こえた。
「んぁ、あ……っ! お、音……恥ず、かしい……っ」
――これは、毎週体を弄られまくったからおかしくなっただけ。
――そうじゃないと、こんなの……おかしい。
――全部ぜんぶ、美鶴のせいに決まってる。
「あっ、んっ! ち、乳首は――ぁあ、あっ!」
誰にするでもない言い訳を、何度も心の中で呟く。
空いていたもう片方の手が、俺の胸を撫でる。そのまま突起に触れると、指で軽くつねられた。
体を何度も跳ねさせると、美鶴が笑う。その吐息が耳にかかって、また体が跳ねてしまった。
「だ、だめっ、美鶴……っ! もう、俺、おれぇ……っ」
――こんなに愛撫されたら、イってしまう。
勿論、美鶴は気付いている。
「あぁ、イっていいぜ。上手にイケたら、後ろも可愛がってやるから」
「ふ、ぁあ、あっ! んぁあ、っ!」
呆気なく、美鶴の手に向かって射精してしまう。
すると、美鶴はその濡れた指を有効活用し始める。
「ま、待って……っ。まだ、やだぁ……っ」
濡れた指で後ろをほぐされて、達したばかりの体がビクビクと忙しなく跳ねた。
「んっ、あぅ……っ! み、美鶴……っ」
「今日は、この体勢で挿れるからな」
「そ、んな……っ」
後ろから挿れられることが多いせいか、顔を見ながら抱かれるのは……恥ずかしい。
だけど、今日の美鶴は正常位を希望のようだ。
「みつ、る……っ。やっ、やだ……みる、なぁ……っ」
美鶴の涼やかな目が、俺の瞳を捉える。
泣きそうな声で懇願すると、キスを落とされた。
「可愛い顔してるお前が悪い」
「そ、んな……あっ、んんぅ……っ!」
美鶴が笑ったかと思うと。
いきなり、ペニスを挿入されてしまった。
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