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(2 : 4 *) ~了~
口から、美鶴の指が引き抜かれる。
「――ん、は……っ! ……み、つる……っ! さっきから、なにしてるんだよ……っ!」
「分かってんのに訊くんじゃねェよ」
笑った美鶴が突然、俺の髪を掴んだ。
そのまま、俺の頭を美鶴の股間に引き寄せる。
「指の次はこっちだ。……できるよな、真冬?」
「く……っ!」
疑問形なくせに、逆らうという選択肢は与えられない。
片手で頭をホールドされて、オマケに楽しそうな声。
――結論。俺は美鶴に、逆らえない。
そもそも……俺はベッドに座った時点で、負けが確定していたようなものだったんだ。
ゆっくりと、美鶴が穿いているズボンのチャックを下ろす。
そのまま下着からペニスを出して、舌を這わせた。
「……んっ、む……んくっ、は……っ」
ピチャピチャと淫猥な音を響かせているというのに、美鶴はそれでも牛乳を俺の体にかけていく。
「やっ、ぁんっ…!」
「体の全部で牛乳浴びたら、チビなお前でも大きくなれるんじゃねェか?」
俺の体に垂らした牛乳を、美鶴は指で弄ぶ。
「現に。……ここは、大きくなってんだしな?」
「ふ、っ」
そう言い、美鶴は冷えた牛乳瓶を、俺のペニスにグリグリと押し付けた。
「んんぅ……! んっ、んぅ……っ!」
「あぁ、顔にミルクが足りねェな?」
突然。
美鶴が、俺の口からペニスを抜いた。
そして、そのまま……。
「ひ、ぃう……っ!」
美鶴は、俺に……が、顔射……して、きた。
そのまま、美鶴は満足そうな顔をする。
俺の頬に、自分のペニスを擦りつけながら。
「ぁ、ん……っ」
「よく考えたらまだ……ナカにミルク、入れてなかったなァ?」
――オヤジか!
――『牛乳』じゃなくて『ミルク』って言い方をやめろ!
そんなツッコミは、正直、出てきた。
美鶴の表情に悪意しか感じないとか、そもそも美鶴の言う『ミルク』じゃ身長は伸びないとか……もっと、沢山の文句も。
いろいろ、言いたかった。
……でも。
「――は、早く……っ」
さっきも言ったけど。
――俺は、指を舐めさせられた段階で……変な気分になっていた。
「ミルク、よこせよ……美鶴、っ」
熱に浮かされた俺の頭では、美鶴相手に文句なんて。
言えるはずも、なかったのだ。
次の月曜日。
俺は美鶴と一緒に、保健室へ来ていた。
「美鶴、どうだ?」
美鶴に身長を測ってもらい、俺は返事を待つ。
だが、美鶴は口を開こうとしない。
「…………」
「……美鶴? どうした?」
「……いや、そうだな。……お前は、そのままが一番可愛いと俺様は思――オイ、真冬。いきなり殴ろうとしてくんなよ……!」
「お前に頼った俺が馬鹿だった!」
あぁ、神様。
たった……たった一センチを。
どうか、どうか俺に……恵んでください。
美鶴の身長を奪ってでもいいので、本当に……マジで。
……切実に。
オマケ話【ミルクをかけたら大きくなれる?】 了
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