83 / 83

(2 : 4 *) ~了~

 口から、美鶴の指が引き抜かれる。 「――ん、は……っ! ……み、つる……っ! さっきから、なにしてるんだよ……っ!」 「分かってんのに訊くんじゃねェよ」  笑った美鶴が突然、俺の髪を掴んだ。  そのまま、俺の頭を美鶴の股間に引き寄せる。 「指の次はこっちだ。……できるよな、真冬?」 「く……っ!」  疑問形なくせに、逆らうという選択肢は与えられない。  片手で頭をホールドされて、オマケに楽しそうな声。  ――結論。俺は美鶴に、逆らえない。  そもそも……俺はベッドに座った時点で、負けが確定していたようなものだったんだ。  ゆっくりと、美鶴が穿いているズボンのチャックを下ろす。  そのまま下着からペニスを出して、舌を這わせた。 「……んっ、む……んくっ、は……っ」  ピチャピチャと淫猥な音を響かせているというのに、美鶴はそれでも牛乳を俺の体にかけていく。 「やっ、ぁんっ…!」 「体の全部で牛乳浴びたら、チビなお前でも大きくなれるんじゃねェか?」  俺の体に垂らした牛乳を、美鶴は指で弄ぶ。 「現に。……ここは、大きくなってんだしな?」 「ふ、っ」  そう言い、美鶴は冷えた牛乳瓶を、俺のペニスにグリグリと押し付けた。 「んんぅ……! んっ、んぅ……っ!」 「あぁ、顔にミルクが足りねェな?」  突然。  美鶴が、俺の口からペニスを抜いた。  そして、そのまま……。 「ひ、ぃう……っ!」  美鶴は、俺に……が、顔射……して、きた。  そのまま、美鶴は満足そうな顔をする。  俺の頬に、自分のペニスを擦りつけながら。 「ぁ、ん……っ」 「よく考えたらまだ……ナカにミルク、入れてなかったなァ?」  ――オヤジか!  ――『牛乳』じゃなくて『ミルク』って言い方をやめろ!  そんなツッコミは、正直、出てきた。  美鶴の表情に悪意しか感じないとか、そもそも美鶴の言う『ミルク』じゃ身長は伸びないとか……もっと、沢山の文句も。  いろいろ、言いたかった。  ……でも。 「――は、早く……っ」  さっきも言ったけど。  ――俺は、指を舐めさせられた段階で……変な気分になっていた。 「ミルク、よこせよ……美鶴、っ」  熱に浮かされた俺の頭では、美鶴相手に文句なんて。  言えるはずも、なかったのだ。  次の月曜日。  俺は美鶴と一緒に、保健室へ来ていた。 「美鶴、どうだ?」  美鶴に身長を測ってもらい、俺は返事を待つ。  だが、美鶴は口を開こうとしない。 「…………」 「……美鶴? どうした?」 「……いや、そうだな。……お前は、そのままが一番可愛いと俺様は思――オイ、真冬。いきなり殴ろうとしてくんなよ……!」 「お前に頼った俺が馬鹿だった!」  あぁ、神様。  たった……たった一センチを。  どうか、どうか俺に……恵んでください。  美鶴の身長を奪ってでもいいので、本当に……マジで。  ……切実に。 オマケ話【ミルクをかけたら大きくなれる?】 了

ともだちにシェアしよう!