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 運ばれたクッキーに気付いて、美鶴を見上げる。 「自分で――」 「口。……開けろよ」  冷たいけど、優しい声。  命令するような言い方で、不愉快なはず。  ……なのに、逆らえない声だ。  その声でそう言われると、俺はどうしても……っ。 「……馬鹿」  仕方無く口を開けると、美鶴がクッキーを差し込む。  サクリ、と。軽い音が鳴った。  俺はそのままクッキーを食べきってやろうと、口を動かす。  ……だが、相手は美鶴だ。 「――んぐ、っ!」  クッキーをつまんでいた指が、そのまま。  ――口の中に、ねじ込まれた。 (な、なにしてんだよ、コイツ……っ!)  俺はただ、クッキーが食べたいだけだ。  なのに美鶴は、指を抜こうとしない。 「ん、ぅ……っ」 「ほら、真冬。……いつもみたいに、ちゃんと舐めろよ」  美鶴はたぶん、俺が指を舐めるまで抜かないだろう。 「んっ、ふ……っ」  仕方無く。  あくまで『仕方無く』……指を、舐める。  すると何故か、美鶴は牛乳の入った瓶を持つ。 (クッキーの仕返しに、飲み干すつもりか……?)  割と本気でそう思ったのだが。  ――美鶴がそんな低レベルすぎる仕返しを、今、するわけがない。 「んぅ……っ、ふあ……っ!」  瓶が、俺の顔に近づけられる。  そして、美鶴は。  ――瓶を、顔の上で傾けたではないか。  中に入っていた牛乳が、俺の頬に垂れる。  文句を言いたいのに、指を抜いてもらえない。 (制服、が……っ!)  汚れてしまったら、クリーニングに出さなくてはいけない。それは面倒だ。  俺は小さく首を横に振って『駄目だ』とアピールする。  だが、そんなのどこ吹く風。 「オイ、真冬? ……舌、止まってるぞ?」  指を根元まで入れると、美鶴は不敵に笑った。  だが……一応、俺の言いたいことは分かってくれたらしい。  瓶を置いた後、片手だけで俺の制服を器用に脱がし始めたのだ。 「んっ、んんぅ……っ! ふぁ、ん……っ!」  露わになった上半身。  そこに、美鶴はゆっくりと……冷たい牛乳をかけていく。 (な、何だ……っ?)  美鶴のしたいことが、よく分からない。  ……だけど。  ただ、牛乳かけられている……だけ、なのに。  ――凄く、恥ずかしい。 「や、やら……っ」 「イヤじゃないだろ? ……こっちは嬉しそうだぜ?」 「ひ、ん……っ!」  正直なところ。  美鶴の指を舐めさせられた段階で、変な気分にはなっていた。  それを、よく分からない辱められ方をされて……体が反応しないわけ、ないんだ。  美鶴の片手によって、ズボンと下着を一気に脱がされる。  すると、自分でも恥ずかしくなるくらい。  ……元気よく、ペニスが露出された。

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