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03
「どうかな、愛情たっぷり、愛あるセックス」
「ば、バカじゃ、ないの」
「おお。鷗くん珍しくお口悪いねえ、尻穴きゅんきゅんさせながら、悪い子だねえ」
俺は四肢は縛られたまま、ずぶずぶと松井の性器が体を貫かれる。
奥を撫でるよう擦られ、入口で何度も小刻みに出し挿れされる。
痛みはない。
痛みはないが、なんだか気持ち悪かった。
「かわいいなあ。無愛想で不機嫌そうな顔をして、男に突っ込まれたら無条件に勃起して。かわいいなあ。かわいすぎて、かわいそう」
「んぐ、ん、んううッ」
俺の上で体を滑らせるよう腰を打つ。
肌と肌がぶつかり合い、腹の中はぐちゅぐちゅと水音を立てた。
気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。
「う、うあッ!あ、あああッ」
穴を裂くように、松井の性器の横から指先が潜り込んで来る。
2本、いや、3本ッ。
「いだい、い、いあああ、あう、い、いらいいッ」
「いーね。絶望感溢れてる。脱AIセックス。どうして鷗くんが虐げられるのか、わかるかい?なんで自分だけがって、苦しいって、怖いって、辛いって、思うだろう?」
尻が熱い。腹がえぐれる。
苦しい。怖い。辛い。
「しょうがないじゃないか。だって、鷗くんって、ホントつまんない人間なんだから」
松井は心底哀れんだ表情で俺を見下ろしていた。
「かわいそう。かわいそうだから興味が湧く。頭が悪くて、間抜けでどうしようもないくせに、澄ました顔してバカみたいだな、キミは」
目が、怖かった。
何度も見てきた、知ってる目だ。
「人生に絶望して、アホみたいに股開いて、全身で愛して、愛してって無様に叫べばいいんだよ。痛いも、苦しいも全部受け入れて、それしか価値がないって素直に認めなよ。大丈夫。僕がこれからここで、キミを一生愛してあげるからさあ」
激しく打ち付けられる性器。
出し挿れされるたび、確実に広がっていく体。
奥へ吐き出された精液が、俺に現実を突きつける。
生まれてきた意味があるのか、俺に。
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