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 ベッドの上で、服を剥がれて四肢を拘束される。  手足は大きく開いたまま、わずかに動かせるだけ。  かけられた首輪を引かれるたびに、喉が締まった。  お金持ちでハーフ顔のイケメンが、這いつくばって俺の股に顔を埋めている。  松井は口いっぱいに玉を頬張り、ほがほがと無様に呼吸を荒げながら、俺の内股を撫でている。  尻の中では極太のバイブがウィンウィンと機械音を響かせ動き回っていた。 「ま、松井さん、ちょ、もう」  玉から離れた松井は、ちゅ、ちゅ、と不必要にリップ音を鳴らして俺の下半身を舐める。  これが彼の言う優しくならば、かなり居心地の悪いものだった。 「風の噂で聞いたけど、鷗くん好きな子いるんだってね。あの、バーテンバイトの…丹波、那緒だっけ」 「あえ、え」 「いーよね。正統派イケメン大学生。僕はどっちかと言えば、鷗くんみたいにぼやっとした影のある子が好きだけどさ。琥珀くんも闇深そうで有りよりのアリ。珊瑚くんは、まあ、ねえ…」  くす、と嘲笑する松井。  今日の珊瑚の慌てっぷりといい、松井のこの意味深な態度といい、何かよくない予感がする。  俺が店のものを壊すなんて、正直今に始まったことじゃない。  確かにガラステーブルなんて大きなものは初めてだけど、原因はそれ以上にもっと鬼気迫る、逼迫したなにかがあった。  珊瑚と松井には、もしかすると俺の知らない何かがあるのかも知れない。  あんなに余裕のない珊瑚を見たのは初めてだった。 「僕さあ、夢なんだよね。キミみたいなかわいそうな子を飼うの。支配欲以上に、飼育欲?的な」 「しいく」 「そうそう。愛情に枯渇して、空っぽの欠陥人間。そうゆう子にこうやって愛情たーっぷり注いであげる」  松井は俺の腹の上で指先をくるくると滑らせる。  それから、尻を広げていたバイブを抜き取った。 「大丈夫、大丈夫。僕はこう見えてジェントルだからね。これからゆっくり、キミを愛してあげられるよ」  ぞくぞくと背中に悪寒が走った。  底意地の悪いニヒルな笑み。  これからゆっくり、とはどういうことだろうか。

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