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第16話

「ほらこれ見て〜この時の斗真ねぇ〜」 「ふわぁぁぁぁ!!斗真可愛い!!」 お義母さんがアルバムを出してきたのを2人でキャッキャ騒ぎながら鑑賞会中。 2人でおやつを食べ過ぎてお腹いっぱいになっちゃって、お昼ご飯も食べずに過ごしている。 本当のお義母さんの様に感じるけれど、この関係は親子と言うよりも、お互いに1人の人を大事に全力で愛している同士の様に感じるんだ。 お義母さんはお義父さんを。 俺は、斗真を。 この関係はこれからもずっと大事にしたいな。 「はぁ〜2人が仲良くしているのは良い事だけどさぁ〜」 帰ってきた斗真が俺とお義母さんの様子を見てため息をついてる。 「おかえり〜斗真」 「えへへ、進ちゃんと仲良しですから!」 ちょっとお義母さん!?ほっぺにチュウはダメなやつです!! ひやぁぁぁぁぁぁ!! お義父さんいつの間に来てたんですか!? 斗真は俺を。 お義父さんはお義母さんを。 後ろから伸ばした腕でベリっと俺とお義母さんを引き剥がされた。 「進君、ママには手をださな「出してませんから!!」 お義父さんなんて事言うんだ!! そ、そんな事したら後ろの斗真君が、 いやああああああああ!! ま、魔王がいるううううう!! 「さて、もう家に帰ろうか?」 笑顔が怖いよおおお!! 「あ、お義母さんありがとうございました。この暖かセットいただいて良いですか?」 「うんうん!良いよ!持って帰って冷やさないようにしてね♪」 ついでにこれも、これもってお義母さん、俺は冬眠する熊じゃないよ? あったかいを通り越して暑苦しい。 けど、お義母さんの優しさが嬉しいよぅ。 結局、段ボール1箱分の暖かセットを持って斗真のマンションに帰ってきた。 早速、モコモコ靴下を履いて、滑って後ろに転びそうになったよ!! 「と、とうま、あ、ありがとう」 「危ないからそれは脱いで」 斗真の胡座の上に座らされ、モコモコ靴下をせっせと脱がされて、レッグウォーマーを履かされた。 「あれ?こんなのお義母さんくれてたっけ?」 渡されてたアイテムの中に無かったよ? 「俺が買ってきた」 「………。」 斗真は学校に行ってたはずだし。 生理中は冷やさないようにってアドバイスはお義母さんから今日初めて聞いて知ったわけで。 「もしかして……会話を聞いてた?」 あー当たりだわ。 勢いよく顔をあっち向いてホイしたもん。 「斗真くん?俺が居なくて寂しかったの?」 あっち向いてホイしたまま、コクンって一つ頷いて、耳が真っ赤になってる。 首まで赤くなっちゃったよ。 「俺も斗真が居なくて寂しかったよ。斗真、おかえりなさい」 こちらに蕩けそうな笑顔で向いて、ただいまって、コラ!耳に吹きかけるなよぉ〜。 「盗聴してるの怒らないの?」 「俺が居なくて寂しいから、そばに感じられるようにしてただけでしょ?それに、俺に何かあってもすぐに気付いてもらえるから、安心だよね!」 「進の身に何か起こるような事はないって約束する。絶対に」 「うんうん。ちゃんと守ってね。そのかわり、」 「ん?」 「ちゃんと俺に話す事!何かが絶対に起こらないって保証は無いんだよ。たださ、ちゃんと聞いておけば対処出来るんだよ。俺に何かがって言うよりも、斗真に何かが起きる可能性があるじゃ無いか。俺も斗真を守りたいよ?俺じゃ役不足?」 抱き締めてくれている斗真の腕に力が入る。 そんな事ないって声は聞き逃しそうなほど小さく鼻声で、鼻を啜る音も聞こえてる。 しばらくしてから、ありがとうって言う斗真の顔は、バッチリ泣き顔でした。

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