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第66話 雅樹からのメール ①
そういえば、どうして環はゴリ押ししてまで、俺を自分の家に連れて行ったんだろう?
転校初日で、絶対遅刻できないはずだったのに、時間ギリギリまで俺を説得してくれたんだろう?
「あのさ、環はどうして……」
智樹がここまで言いかけた時、智樹のスマホがバイブする。
雅樹か……
いつも電話するのは智樹からで、雅樹から電話があると嬉しくてすぐに電話に出ていたが、今日は電話に出るのを少し躊躇った。
なぜなら、雅樹と喧嘩して、まだそれが解決していないから。
それに環に雅樹との会話を聞かれたくなかった。
「智樹、電話にで出ないのか?」
いつまで経っても通話をタップしない智樹に、環が声をかける。
「…出るけどさ…、今、あんまり話したくない気分なんだ」
自分で言っておいて、おかしいと思う。
だって雅樹からの電話だぞ…
この電話で、もしかしたら雅樹から謝ってくれるかもしれない。
もしかしたら仲直りできるかもしれない。
いつも通りになれるかもしれない…
それに今電話に出なくたって、いつかは出ないといけない。
だったら今出たほうが…
そんな事を考えている間に、スマホのバイブは止まった。
はぁ…
電話に出るタイミング、完全に失った…
メールで返事でもしようかな?
智樹がメールを開けると、電源が切れていた間に雅樹から送られてきていたメールが一気にはいっていた。
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