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第67話 雅樹からのメール ②
はじめは、
『話の途中だろ⁉︎なんで出て行くんだよ‼︎』
『どこにいんだよ‼︎また昨日の場所なのか⁉︎』
『誰かといるんだろ?そいつ出せよ』
『電源切ってるだろ⁉︎』
智樹を責める言葉ばかり。
そのうち、
『何かあった?』
『本当に心配してる。連絡欲しい』
『俺も学校行かずに家で待ってるから、帰ってきて』
智樹を心配する言葉になり、
『ごめん、本当にごめん』
『許して欲しい。俺が悪かった』
『俺、智樹がいないとダメなんだ…』
赦しを乞う言葉。
………。
届いたメールに目を通した智樹は、一度画面を閉じた。
俺の知ってる雅樹は、あんなのだったんだろうか?
激怒して、心配する言葉を並べて、最後には赦しを乞う…。
俺が知ってる雅樹は口は悪いけど優しくて、頼り甲斐があって、時々甘えたで…。
俺は雅樹がいないとダメなように、雅樹も俺がいないとダメだと思ってた。
だけど、今のはなんだ?
ただ怖いだけじゃないか……。
「智樹、大丈夫?」
スマホを持ったまま、黙りこくっている智樹を環が心配する。
「……。うん、大丈夫…」
智樹は環にこれ以上心配かけないようにと、笑ってみせたが、それはとても淋しそうな笑顔だ。
「……」
智樹の表情を見た環はゆっくりと智樹に近づき、
「⁉︎⁉︎」
驚く智樹を抱き寄せ、抱きしめた。
「ごめん。俺の聞き方が悪かった。智樹、大丈夫じゃないだろ。何があった?」
「…」
智樹は何も答えない。
「雅樹からのメール見たのか?」
環が智樹の頭を撫でながら優しい声で聞くと、コクンと智樹が頷く。
「嫌な事、書いてあった?」
智樹はまた頷く。
「俺、雅樹と話してやろうか?」
智樹はバッと顔を上げて、ブンブンと首を振る。
「俺、喧嘩強いから大丈夫だけど」
環が力コブを見せると、
「そういう問題じゃない」
智樹が笑った。
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