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第7話 妖艶 ①

「立花さん、大丈夫ですか?」 立花を肩に担ぎながら、寝室へ向かう。 自分より大きな男性を運ぶのは、本当に大変だが、今は少しでも立花の役に立てればと真司は頑張った。 立花さん、始めから飲むピッチが早かったし、あの後も凄くたくさん飲んでたからな… 例外なく真司も酔っていたが、立花ほどではなかった。 初めてみる立花の弱いところを垣間見れ、真司は嬉しかった。 やっとの思いで立花を寝室に運び、ベットのうえに寝かせた。 これで、朝までは大丈夫か… そっと布団を掛けようとした時、立花のシャツに赤ワインのシミができているのに気がついた。 赤ワインのシミって、ほっておいたらとれないんだよなー… 少し考えてから、 ごめんなさい、立花さん! 今洗えばまだ間に合うはず… そう心で言いながら、立花のシャツを脱がしはじめた。 罪悪感がないかといわれればあるが、この前真司も立花に助けてもらった事もあるので、真司はしないわけにもいかないと思ったのだ。 なるべく見ないようにボタンを全てはずし終え、いざ脱がそうとすると、どうしても今までシャツで隠れていた立花の上半身の肌が見えてしまう。 ほどよく筋肉がつき、腹も割れている。 アルコールで血行が良くなっているせいか、肌の色もほのかに熱っている。 すやすや眠る立花は、いつもに増して魅力的だ。 真司は頬にかかる立花の髪をそっと触ると、 「…ん…」 立花がその真司のその手に頬をすり寄せた。 「‼︎」 真司は一瞬立花が目覚めたのかと驚いたが、そうでもなさそうで安心した。 立花の顔に近づけながら、真司が立花の髪に触れる。 「…ん…」 また、立花は真司の手に頬を擦り付ける。 真司の手から立花の温もりが伝わってきた。 とても愛おしい… そして気がついたら、真司は寝ている立花にキスをしていた。 ‼︎ 自分の行動に驚いて立花から離れようとするが、それがどうしてもできない。 こんな事をしてはいけない… いけないけど… 立花から離れることはできず、もう一度キスをした。 今度は確実に自分の意思だ。 ゆっくりと、立花とのキスをおしむように、そっと立花から離れ、目を開けると… トロンとした目で真司を見つめる立花の姿があった。 「‼︎ごめんなさい‼︎…こんな事するつもりはなくて…その…」 立花のシャツははだけ、キスをしていた。 この状態のどこがどう違うのだろうか… 自分に自問自答してしまう。 「佐々木さん…いいですよ」 「え?」 真司は立花が何をいっているのか分からず聞き返したが、立花はまだトロンとした目のままだ。 「いいですよ…キスしても」 「‼︎」 これは立花さんが酔っていて、何もわかってないからだ… 「そ、そんな事言ったら本気にしますよ。さ、もう寝てください」 冷静を装いながら、そっと立花のシャツを閉めようとすると、真司は立花に胸元の服をグッと掴まれ引き寄せられ… 「‼︎」 今度は立花が真司にキスをした。 「してください…キス…」 立花の瞳は潤でいる。 「それって…」 信じられないと言うように真司が聞き返す。 「してくだ…」 立花が言い終わらないうちに、真司は立花にキスをした。 先ほどまでのそっとしたキスではなく、荒々しく。 「ん…」 そのキスについていこうと、立花の息が漏れる。 その声を聞き真司は立花の唇をこじ開け、舌を入れた。 真司はむきをかえ、立花の舌をからめとっていく。 今まで感じたことのない刺激と高揚感が真司を襲う。 立花とのキスだけで、感じてしまう。 立花も真司の舌を賢明に絡めようと、二人のキスはどんどん深くなっていった。 経験が豊富なのだろうか、立花のキスは真司の口内を痺れさせていく。 「ん、、ん…」 真司からのキスで立花の吐息は止まるっことはない。 二人とも息も絶え絶えになり、口を離すと二人の唾液が透明な糸のようになり、二人を繋ぐ。 「立花さん、、これ以上したら…」 俺の抑えがきかなくなる… 俯く真司の顎を立花がクイッとあげる。 「佐々木さんは、これ以上の事をしたいと思って私のシャツを脱がしたんじゃないんですか?」 そう言うと、ベットの上で膝をたて、立花は妖艶にシャツを脱いで見せる。 立花の背後から間接照明の光が当たり、その姿はより美しく、そして艶かしく映し出していた。 立花の姿をみて、真司は体の芯からゾクリとした。 「…立花さん…それは…」 真司が恐る恐る聞くと、立花が真司の耳元に近づいていき… 「違うんですか?」 吐息まじりに、立花が囁いた。 そのささやきは真司の頭の中に響き、甘い痺れをもたらす。 そんな真司の姿を見た立花は、真司の耳を甘噛みした。 「私は…そのつもりですよ…」 立花は決してその行為の事は言葉にしない。 ふくみをもたせた言い回し。 そして、立花は真司の首を、つーっと舐め上げた。 真司の中で何かが吹っ飛んだ。 どさっと立花を押し倒し熱いキスをした。 余裕なんてない、荒々しい… 言葉とキスだけなのに、真司の楔は固くなっていった。 真司に触れられるたびに立花の吐息は荒々しく熱をおびだし、ぷっくりと乳首が膨らんでくる。 広い部屋の中には、二人が舌を絡め合う、くちゅくちゅという音と、立花の吐息だけが響く。 真司の視界には美しくとろけた立花の姿。 耳には二人の絡み合う音。 そして、立花の甘く芳しい香りが鼻をかすめ、より真司を欲深くさせていく。 深いキスをしながら、真司は立花のぷっくりと立ち上がった乳首に触れる。 「…あぁぁ…」 立花の声が漏れる。 その声に真司はより興奮を覚える。 もっとその声を聞きたい。 もっと淫らにしたい。 もっと…もっと… 真司の中で立花への『もっと…』が膨らんでいく。

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