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第42話 夜中の蓮
真司は水漏れしているマンションの事情と蓮の仕事の邪魔にならないようにする事を蓮に話すと、蓮は快く工事が終わるまで泊まっていけばいいといってくれた。
食事とお風呂が終わった二人は、真司が後ろから蓮を抱きしめるようにしながら眠った。
最近、不眠気味だった真司だったが、蓮の甘い香りですぐに眠りについたのだった。
…ん?…
真夜中、真司は蓮がゴソゴソと起き、部屋から出て行ったのに気がついた。
時計を見ると、午前2時。
蓮…どうしたんだろう?
真司は蓮の後を寝室のドアから頭だけだし、蓮の様子を見ていると、蓮はいつも仕事をする時に使う書斎へ入っていった。
不思議に思った真司は蓮に気づかれないよう、そっと書斎のドアの隙間から中の様子を見ると、眼鏡をかけた蓮がPCを開き仕事の続きをしているようだった。
時折、蓮は眼鏡を外し目頭を押さえたり、何か考え事をし、またPCに向かう…
集中しているからか、真司に見られていることは全く気づかないようだった。
真司は蓮の仕事の邪魔をしないように、そっとドアを閉め自分は寝室に戻りベットに横になっていたが、なかなか寝付けない。
結局は寝たフリはしていたが、蓮が寝室に戻ってくるまで、真司は寝られなかった。
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