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第50話 蓮の気持ち ②

「ごめん、蓮。そんなつもりじゃなかったんだ…」 「そんなつもりって⁉︎⁉︎」 ガバっと勢いよく顔を上げた蓮の顔は怒りに満ち、目は泣き腫らしたように真っ赤だった。 「蓮がそんなに傷つくぐらいなら、あんな事しなきゃ良かったって…」 真司は申し訳なさすぎて、蓮の目を見返す事ができない。 「あんな事って?」 蓮の声は今まで聞いたこともないほど冷たかった。 「あいつに…松野に…俺が蓮と付き合ってるっていう事、言うんじゃなかったって…」 「それだけ?…じゃあ、なんで帰りがこんなに遅かったんだ?…まさか松野さんとなにか…」 「何かって…」 真司は一瞬で言葉が詰まった。 松野に告白されたなんて… 「やっぱり何かあったんだ…」 蓮は抱きしめている真司の腕を振り払い、部屋から出て行こうとした。 「蓮待って‼︎」 慌てて真司が蓮の腕を掴む。 「…」 振り向かない蓮の背中に向かって真司が話しかける。 「…松野に好きだって告白された…」 「…」 蓮は微動だにしない。 「ごめんって断ってきた…それだけ…」 「それだけだったら、なんでこんなに時間がかかるんだよ…」 「…」 「俺、言われたんだ…松野さんに…真司のこと好きだって…諦めないって…」 蓮の声がだんだん震えてきた。 「本当にそれだけで何もなかったんだ‼︎ただ、気持ちの整理がつかなくて、その辺をタクシーで走ってもらってた…ごめん…」 「そんな事信じられるわけないよ」 「ごめん…」 「連絡ぐらいくれたって…」 蓮は涙声になってくる。 「…ごめん…」 「真司はごめんごめんって…俺ばっかり真司のこと好きみたいじゃないか‼︎」 涙をポロポロ流しながら、蓮が声を荒げる。 蓮がそんな事を考えてたなんて… 真司は蓮を引き寄せ今までないほどの力で蓮を抱きしめた。

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