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第60話 <第五弾> 真司との同棲生活

真司の住んでいるマンションの工事終了まで、残りあと1日となった。 蓮との暮らしが終わってしまうのは寂しかった。が、これで蓮の仕事の邪魔をしなくていいと思う事で自分を納得させようとしていた。 「真司、何してるんだ?」 部屋の片付けをしている真司に蓮が声をかけた。 「マンションの工事、明日で終わるから今のうちに荷物まとめておこうと思って」 荷造りをしていた真司が蓮の問いかけに一旦手を止めた。 「実はその事なんだけど…」 蓮は何か言いにくそうにしている。 「ん?」 「……真司…一緒に暮らさないか?」 「え⁉︎」 真司は心底驚いた。 「だって、ほら。今からマンションに帰ったって、また家具とか電化製品とか、一から買い直さなきゃいけないだろ。でも、ここだと全部揃ってるし…食事だって俺が作る。…それよりなにより…」 「なにより?」 「俺が真司と一緒に暮らしたい」 恥ずかしそうに蓮が呟く。 「でも、それだと蓮の負担が多くなるし、蓮の仕事にだって支障が出るかもしれない」 俺だって一緒に暮らしたい。 だけど… 「負担にならないし、支障もでない…真司は俺と一緒に暮らすのは…嫌か?」 蓮は少し寂しそうに俯く。 ‼︎‼︎ そんな仕草しれたら… そんな事言われたら… 「そんなわけないだろ。俺も蓮と一緒に暮らしたい」 「ほんとに⁉︎」 蓮は嬉しそうに顔をあげた。 可愛すぎる! 真司は蓮を抱きしめる。 「先に言っておくけど、多分、蓮は家賃も光熱費も食費も全部自分が出すって言うと思うけど、それは全部折半!」 蓮は真司に『心を読まれたのか⁉︎』という顔をしが、 「わかったよ。そうする」 真司の顔を見上げた。

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