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第61話 ショッピング

真司はマンションの大家と話をし、その月いっぱいで契約解除となった。 もともと真司は必要最低限のものしか持っておらず、しかも今回の水漏れでほとんどのものが使えなくなっていた為、蓮の家に運ぶ真司のものは衣服以外殆どなかった。 「真司、この後一緒に住むのに必要なもの買いに行こう」 一緒に昼食の片付けをしながら、蓮は真司を買い物に誘う。 「だって色々揃えないと。服とか…」 「もうあるよ」 「真司の食器とかお箸とか」 「今あるのでいいよ」 「でも…」 蓮は必要そうなものを頭の中で賢明に探す。 「あ、あれは買いに行かないと」 真司は買いに行かないといけなものを思い出た。 「え⁉︎なに⁉︎」 「寝具」 「どうして?」 不思議そうに蓮が聞き返す。 「蓮のベット大きいけど、ずっと俺と一緒に寝たら寝にくいだろ?」 真司は、さも当たり前のように答える。 「寝具は買わない」 「どうして?」 今度は真司が聞き返す。 「真司と…寝たいから」 蓮が拗ねる。 か、可愛すぎる‼︎ その表情はは反則だ! 「じゃあ、買わない‼︎」 真司はキッパリと言い切った。 もうすでに蓮のペースだ。 蓮の少し拗ね気味の顔も、可愛すぎる。 可愛すぎる蓮をこれから毎日見れるのは、嬉しいけど、俺の心臓がもたなさそうだな。 真司は嬉しい悩みを噛みしめていた。

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