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第64話 蓮の過去 ①
蓮と一緒に住むようになったからと言って、二人の休みが重なる事はなかなかなく、二人とも片方が帰ってくるまでの間、
蓮は趣味の料理を、
真司は料理と資格の勉強と、思い思いに過ごしていた。
それでも家で待ってくれている人がいて、
『おはよう』『おやすみ』『いってきます』『おかえり』…
いろんな挨拶ができる時間が幸せだった。
久々の二人揃っての休日。
ソファーに座る蓮の後ろから真司が抱きしめるように座り、まったり過ごしていると玄関ホールからの呼び出し音が鳴った。
「俺みてくるよ」
蓮が立ち上がりインターホンの画面を見る。
「椿⁉︎」
椿って誰だろう…
聞いた事ない名前だな…
真司も画面を見に行くと、高校生ぐらいだろうか、可愛い女の子が立っていた。
「椿、どうしてここにいるんだ?」
「連絡したけど、返信なかったじゃん」
「だからって…はぁ…いいよ。あがっておいで」
蓮はため息をつきつつ、すんなりと女の子をマンション内へ入れた。
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