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第65話 蓮の過去 ②

蓮の知り合い? でもこんなに歳の離れた知り合いなんて… 「蓮、あの子って…」 真司が言いかけた時、部屋のインターホンが鳴った。 「ごめん…真司、後でちゃんと話すから…」 蓮が玄関のドアを開けに行き、部屋に招き入れた。 「どうして返事くれなかったのよ」 「忙しくて…ごめん」 廊下を歩きながら話す2人の声が聞こえる。 ガチャと真司がいるキッチンの部屋のドアが開く。 「あ…」 蓮と一緒に来た可憐な少女は、真司の姿を見て驚いていた。 「お客様がいらしたんですね。はじめまして、私は立花椿と言います。立花蓮の妹です」 椿はニッコリと笑いながら、真司に自己紹介をした。 蓮の妹…? 妹がいたなんて、聞いたことない… 「あ、はじめまして、俺は…」 「こちら佐々木真司さん。今お付き合いさせてもらってる」 真司が自己紹介をする前に、蓮が真司を紹介した。 「お付き合いしてるって?」 椿は眉間にシワをよせて、蓮に聞き返す。 「そのままだよ。それに、一緒に住んでる」 「‼︎」 椿の顔が驚き、目が見開かれる。 「そんなの聞いてない‼︎」 急に椿が声を荒立てる。 「椿、落ち着いて…」 蓮は椿の肩に手を乗せようとしたが、その手を払い除ける。 「お兄ちゃん、佐々木さんは…男性だよ。そんなのおかしいよ‼︎」 ‼︎‼︎ 改めて面と向かい言い放たれると、真司の気持ちがズキンと痛んだ。 「私が知ってるお兄ちゃんが今まで付き合ってた人達は、みんな女の人だったじゃない…なのに、どうして⁉︎」 ‼︎‼︎ 今まで付き合ってた人は、みんな女性⁉︎ 真司は岩で頭を殴られたような衝撃を受けた。

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