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第90話 訪問者 ②
真司は不思議に思いながら、とりあえずダイニングに向かう。
ドアを開けると、そこには歳は30台後半ぐらいに見えるの綺麗な女の人が立っていた。
こんな綺麗な人…記憶にないな…
「あの、私に会いに来てくださったと聞きましたが…」
恐る恐る真司が尋ねると、女性は真司にゆっくり頭を下げる。
「突然申し訳ありません。はじめまして。私、立花梓と言います。立花椿の母で蓮さんの義母になります」
「‼︎椿ちゃんのお母様ですか⁉︎」
真司は驚いて目を見開く。
椿は18歳。
そんな大きな子供がいるとは思えない容姿をしていた。
「はじめまして。私は佐々木真司と言います」
真司も梓はに頭を下げ、挨拶をする。
「あ、どうぞお座りになってください」
立ったままの梓の椅子を真司は慌てて引いた。
「お気遣い、ありがとうございます」
梓は丁寧に御礼を言ってから、椅子に座った。
「でもどうして私に会いに来てくださったのですか?」
「梓さんがどうしても真司に謝りたいって…」
蓮が真司の前にコーヒーを出しながら言う。
「謝りたい事…ですか?」
真司には、梓が真司に謝らないといけない事について、身に覚えがない。
「はい。先日、椿が佐々木さんにご迷惑をおかけしてしまい…大変も申し訳ありませんでした」
「‼︎…そんな…私は何も…」
「いえ、椿から聞きました。佐々木さんに失礼な事を言い、しかもその日、佐々木さんは別のお宅に泊まり、椿が蓮さんとしっかり話しができるように二人にしてくださったと…」
「それは…」
「本当に申し訳ないと言っていました。佐々木さんの優しさとお気遣いのお陰で、椿は蓮さんとゆっくり話しができ、心につっかえていたものを全部吐き出せたようです」
よかった…
椿ちゃん、ちゃんと蓮と話ができたんだ。
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