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第6話
「琉!お前またここいたんだ」
「理苑兄ちゃん!」
3つ年下の最近ここにやってきたやたら人形みたいに綺麗な顔をした琉はいつもの大きな木の下にいた。
ここに来てからずっとそうなんだ。放っておけなくて俺は毎日声を掛けた。
この場所は「さざなみ」。児童養護施設だ。ここには親に捨てられた子供が沢山いた
「お前毎日何待ってるの?」
「お母さん」
何の迷いもなくキラキラ輝く大きな瞳で可愛く笑った。そんなの…
「お母さん⁉くるわけないじゃん❗」
来るわけないのに…俺は母親に二度と戻ってくるなって言われたんだ。
いらない子だからここに置いていくんだって。だから待っても来るはずないんだ。そんなの意味ないんだ
「どうして⁉」
「お前捨てられたんだよ!俺もさざなみにいるみんなも」
「捨てられた⁉」
そうだよ。捨てられた。待っても待っても絶対迎えなんて来ない。
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