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第55話

「ソラ?何で?お前…げほっ…げほっ…」 お前来た弱気になれないじゃんか。お前を琉に返さなくちゃ… 「何で戻ってくんだよ…バカ…」 必死で抱き寄せて腕で壁を作ってやる。ソラは苛立たしげに俺に猫パンチした 「なんだよぉ…お前怒ってんのか?」 そう言うと更にパンチを繰り出してきた 「なんだよぉ…怒んなよ…」 何言ってもパンチする。  「怒んなって…」 生きてくれ…ゼッタイゼッタイ諦めるな!らしくねぇからな! なんかそんなこと言われてる気がした。 わかってんよ。俺はみんなのヒーローだ…ヒーローは必ず生きて戻ってくるんだから頑張れとかいいたいんだろ? でもさ流石に作り物じゃない生身の人だからさきつくなってきた…でもお前は助けるからな… 言葉を発せなくなった俺の手をペロペロと舐め続けるソラ。よくわかってんな…俺がお前がここにいたら諦められないこと 本当…飼い主に似るもんだ… 「ソラ…俺の秘密聞いてくれる?俺ね…初めて会ったときから…琉のこと好きなんだよね。この想いは…絶対墓場まで持ってくけどね。琉に知られたくねぇしな。ここまで必死で頑張ってきた姿を俺は知ってる。俺へ対するあいつの気持ちもな。だからこそ伝えない。」 ソラにこれまで誰にも秘密にしてたことを伝える。するとすりすりとソラがすり寄ってくれた。慰めるように… 賢也さんには気付かれたけどあれ以来その話はしてない。自分の口から話したのは初めてだった。 ソラに話そうと思った理由は自分でもわかんないけどきっと誰かに聞いてもらって楽になりたかったんだと思う 「ソラ…さざなみを頼んだぞぉ。俺さもうすぐ遠いとこに行くんだ。だから…」 話してると瞼が重くなって声が出せなくなった。

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