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第57話

ふと目を開けるとなかなか視点が定まらない。ぼんやりしてると隣で俺に話しかけている琉の声がした 「理苑…いつ起きるんだよ…お前寝過ぎだって…起きろよ…理苑起きろって…」 心配そうに俺に語りかける琉の声にどうしようもなく胸が締め付けられた… 好きだって言ってしまいそうなのを必死で堪えて返事をした やっと視点が定まってここが病院で俺はベッドに寝かされてて側に琉が立っているのを知った 「うるさいなぁ…もう起きるよ…」 すると琉の大きな瞳から涙が溢れた。俺のために…泣いてくれるお前も好き…告げられない思いを必死で隠す 「琉…声戻って良かったな…」 お前の声をまた聞くことができた…きれいなお前によく似合うよく通る高くもなく低くもなく心地よい声… お前の声を聞けた…だから心配なく向こうに行ける…俺を救ってくれたのは琉だけじゃない。影の立役者がいる…   「ソラは?」 そう。ソラだ。ソラがあのとき側にいてくれたから俺は生きられたのだ… 「ソラ…死んだ…」 「え…」 琉がソラはあの後静かに息を引き取ったことを教えてくれた…自分の命をかけて俺を助けてくれた だから…簡単にこの命を手放すわけには行かない…また新たな決意ができた…ソラ…ありがとう… 「ソラがいてくれたから俺生き延びたんだ…ソラはお前にとってすごく大切な存在だからソラは無事お前のとこに返さなきゃって思ったから…」

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