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第64話

日本を発つ日はあっという間にやってきた。 空港には賢也さんと昇龍さん。縁と絆、お母さんとらなさん…そして琉が来てくれた みんなと挨拶をして最後は琉と向かい合う 「琉。自分の実力信じてやっていけよ」 琉は世界的ピアニスト多岐川氏から一緒に来ないかと誘われている。 多岐川氏についていけば琉はもっと輝けるし自信を持てると思う。けど琉はまだ迷ってた。だからこそ俺が背中をおしてやりたい。少しでもそれが出来てたらって思ってそう言葉を紡いだ。 「おぅ」 琉は少し照れくさそうに返事をした。 「迷ってるなら逆に挑戦してみてそれから進めばいい。失敗してもいいからさ」 琉はもう一つ悩んでることがある。それは多岐川氏の娘さんであるそらさんとの関係のこと。 なんでも俺が目覚めなかったとき側に寄り添ってくれた人で琉を支えてくれた人だ。 実はその人のことが琉は気になってるみたいで一度会わせてもらったことがある。 琉が恋をした。それは思ったより苦しくなくて逆に嬉しいことだった。 俺の初恋は叶わなかったけどお似合いの二人を見ているとなんだが俺までほわほわした 二人寄り添っている姿をみた時悟ったのだ。このまま二人は一緒になるだろうって

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