68 / 138

第68話

『もう日本についた頃?』 そう琉から連絡が来たのは自宅についてすぐのこと 『今家についたよ。これからさざなみに行ってくる』 「琉くんから?」 ニコニコしながら縁が巻き付いてきた 「ゆっくりしてきてね。みんなにもよろしくね。 だって。琉くんもまたテレビ出てたよぉ!もっとかっこよくなってた!!」 縁が画面を覗いて楽しそうに読み上げる。 「琉なぁ。かっこよくかったよなぁ!前はかっこいいよりきれいな感じだったのにねぇ」 「そうそう!!学校の女の子たちが大騒ぎしてたよ」 「おっ。ファンが沢山いるんだな」 「うん!でも俺はオン兄ちゃんと絆もかっこいいと思うの!あのね。絆ね。今すっごくモテるの!ずるいよねぇ。背が高くなって足も早いし頭もいいしみんなに優しいから。あーあ。俺がいつも一緒だったのになぁ。」 「ヤキモチか?」 「なんかね絆が誰かと一緒にいるとここがねぎゅーって痛くなるの…寂しいなぁ」 胸を押さえて辛そうに顔を歪ませる。あぁ…縁…お前… まだ本人は気付いていないけどつまりはそういうこと…絆のことが好きなのだ。縁が今後どういう道を選ぶのかはまだ俺にはわからない…けれど… 「仲良かったし寂しいよな。何かあればいつでも相談しろよ。」 「うん!ありがとう」 お前の気持ちは俺はわかってやれるから…一人で抱えるなよな

ともだちにシェアしよう!