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第70話

ほっこりした気分でなんだか機嫌も良く家の外に出て車を3人で待つ。 その時俺を呼ぶ奴が近付いてきた… 「理苑!」 …は?何で… 「オン兄?誰?」 「…知らねぇ…」 「あら。酷い言い様ね。実の母親に向かって。会いたかったわぁ」 「お母さん?」 「…人違いです。あなたのことは知りません。他所をあたってください」 俺の言葉なんて聞こえていないように厚化粧をした香水臭いおばさんが馴れ馴れしく俺の腕に腕を絡ませる 「…気持ち悪い…」 「失礼ねぇ。私みたいないい女にそんなこと言うなんて」 「…警察呼びますよ」 そう発したのは絆だ。手にはスマホが握られていた 「あら。怖い。また来るわね。愛してるわ。理苑」 そう言って俺の頬を撫でると笑顔で去っていった 「…オン兄?大丈夫」 その時車が来た 「理苑!どうした!?すごい顔色悪いぞ」   心底心配そうに賢也さんが俺の顔を覗き込む 「ごめ…ちょ…気持ち悪い…」 「時差ボケか?」 「違う!!今変なおばさんがオン兄の母親だって…」 「は?」 「ごめん…」 「理苑!!昇。手伝って」 その声を遠くで聞きながら意識が暗転した

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