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第71話
その日は結局さざなみにはいけなくて一日中寝ていたようだ。
肉体的にも精神的にも疲れていたのだろう
翌日もまだダルさは続いていたが気付かないふりをしてみんなでさざなみに向かった。
さざなみの職員たちは相変わらずにこにこ優しく迎えてくれた
「理苑。縁、絆。おかえり」
「ただいま。らなさん」
「お母さん待ってるわよ」
「うん。行ってくる」
二人を連れて園長室に行くとお母さんが立ち上がった
「おかえり。元気そうで良かったわ」
そう言って俺たちを抱きしめた
なんだか少し合わなかった間に小さくなった気がする
「お母さん。痩せた?」
「あら?そう?大丈夫よ。」
「病院は?」
お母さんが少し前から通院してるということはらなさんに聞いたから知っていた
「これから行くところよ。そうだ。理苑。少し話があるのだけれど…」
「うん。わかった。縁、絆。あっちでみんなと遊んでおいで」
二人は同時に頷き部屋を後にした
「…理苑。気をつけて」
「…くそばばあのこと?」
「…彼女…あなたが向こうで成功したのを知ってここにきたの…」
「金の無心だろ?家の方にも来てた」
「…色々調べてもらったんだけど…」
「どうせあいつのことだからまた変な男とつるんでるんだろ?」
そう。俺はしっかり覚えてた。捨てられた数日前からのこと…
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