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第129話
琉Side
「理解はできない…」
「だよね。けど俺の大切な人なんだよ…」
「…だけどね琉。私は理苑くんのことも天くんのことも知ってる。」
あの日から3ヶ月…理苑のところへ天が行ったことは知っていたしその後の関係も良さそうなのは聞いていた。
初めて知ったときはとても驚いた。理苑が幸せそうに話す大切な人がまさか俺の片割れなんて…
かなり戸惑ったけどそれと同時にとても嬉しかった。
天の相手が俺のよく知る理苑だから。
理苑は昔からみんなのヒーローで頼りがいもあって男として尊敬する相手だった。そんな相手になら俺の大切な片割れである天を任せられると心から思えたのだ。
だから病院で見たときの二人の痛々しい姿がとても苦しかった。辛かった。嫌だった。
俺は知ってる。覚悟があれば琉も天も互いを思いやり大切にでき迷わず真っ直ぐ進めるってことを。だからこそ二人で越えてほしかった。
それを見事に乗り越えた姿が今日見られるという楽しみと同時にそらや多岐川さんがどう感じるだろうと思ってた。
だから理苑の相手は男であることは伝えられてもそれが天だとは伝えられなかった…
「私ね、天くんも理苑くんも大好きよ。あなたの大切な人だもの。それに二人を知ってるからこそ、その関係が素晴らしいものなのだと思えるの。それは理苑くんと天くんだからよ。きっと他の人なら私は手放しで喜べなかった。でもよくわかる。互いに惹かれる理由も。だって二人ともとても魅力的だもの。理苑くんの相手が天くんでとても嬉しい!ねっ!お父さん?」
「…そうだね。私も安心したよ。そういえば今日は理苑くんのバースデーだろ?お祝いをしよう!」
「お祝いですか?」
「交際3ヶ月の記念と一緒に。どうかな?私とそらで色々準備してあるんだよ。実は色々もう沢山予約してあるんだ」
「いつのまに!?」
「3ヶ月くらい前からだよ」
「えっ!?」
「だってそのときには既に今日が理苑くんのバースデーだとわかっていたし琉くんの大切な人の大切な人に会えると思ったらじっとしていられなくて!」
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