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第6話 半年記念 ②

「お邪魔します…」 誰もいない伊吹の家に入る時、蒼は小声で挨拶をする。 「蒼、誰もいないのに」 伊吹は自室に向かう廊下を歩きつつ蒼に言と、 「だって、ほら……。一応、礼儀だし」 蒼は伊吹の後をついていく。 蒼は何度も伊吹の家に遊びにきているが、初めて伊吹の家に遊びにきた時よりも緊張してきるようだ。 「本当におばさん、いないんだ…」 「き、今日は仕事場の飲み会なんだって…」 自室に付いた伊吹は緊張しすぎて蒼の顔が見れない。 自分で誘っておきながら、こんなに緊張するなんて… 「とりあえず、飲み物持ってくるよ」 緊張しすぎた伊吹が部屋を出ようとすると、 「待てない……」 蒼が伊吹の後ろからガバッと抱きしめ、耳元で囁いく。 その囁きは伊吹の頭の中を痺れさせ、緊張から高揚感へと変わっていった。 「…今までキス以上の事…してこようとしなかったのに?」 「!!」 伊吹の言葉を聞くと、蒼は伊吹を抱き上げベットに押し倒した。 「俺の気持ちも知らないで…」 蒼は伊吹の上に覆いかぶさると、今まで見たことのないような面持ちで伊吹を見つめる。 「……」 「俺がどれだけ、伊吹を怖がらせないように我慢してたか…。わかってる?」 「…蒼、好きだって言ってくれるけど、そういう事は好きじゃないかと思ってた…」 「!!」 「今日だって俺が言わないと、するつもり、なかったんでしょ?」 「!!」 「俺一人、シたいって思ってるって思って…。俺はいつでもいいように勉強したり、一人で練習だってしてたのに……」 「!!それって…!!」 蒼は伊吹の驚き発言に息を呑み、いつもは冷静で優しい蒼の瞳に、今は獣のような光を宿している。 「…最後まで言わせないで…」 伊吹はまっすぐ蒼の瞳を見つめ、頬を掌で優しく包む。 「伊吹……。あんまり煽らないで…俺、優しくしたいのに、頭がおかしくなりそう」 「おかしくなってよ。蒼」 「!!」 蒼は伊吹にキスをした。 それはいつものような優しいキスではなく、急で荒々しいもの。 唇と唇が重なる前から、二人とも口を開け、唇が重なったと同時に舌を絡め合う。 蒼は今まで我慢してきたことが爆発したかのように、伊吹の口内をくまなく感じとろうと貪り、伊吹も懸命にあおいにか答えようとする。 「ん…ん、ん……」 あまりの蒼の濃厚なキスで、息ができなくなっていた伊吹は、ちゅぱっと音を立てて蒼が絡めとる舌から自分の舌を引き抜いた。 「あお…い…。くるし……ん、ん……」 蒼は一度離れた伊吹の口にキスをすると、すぐさま伊吹の舌を絡めとりながら、きっちりと止められている伊吹の制服のネクタイやボタンを急いで外していき、伊吹の美しい白肌や淡いピンク色した乳首を露わにした。 「伊吹、大切にする。だから、俺に全部委ねて。俺に伊吹の初めて、全部見せて……」 さきほどのキスとは裏腹に、蒼はゆっくりと壊物でも扱うように息吹の首筋に顔を近づけると、 「…っぁ…」 きゅっと強くキスをしたかと思うと、伊吹のその透き通る肌に、赤い花びらを落とした。 そして首筋から乳首に向けて、啄むようなキスをする。

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