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第44話 ーー突然の電話 ⑤ 蒼sideーー

「それって、どういう意味?」 『詳しい話は会った時に言うよ。もし蒼に相談してる時に孝司が帰ってきたら怒られる…』 「‼︎わかった。どこに行けばいい?」 『駅前のファミレス。あそこなら外からの死角があるから…』 そんなに慎重に出掛けないといけないほどなのか⁉︎ 「わかった。すぐ行く」 『ごめんね。ありがとう…。着いたら連絡ちょうだい…』 そういうと柚は電話を切った。 電話での柚の話、なんだか犯罪っぽい匂いがする。 これに伊吹を巻き込むのは… 蒼が部屋から出てくると、不安そうな伊吹がソファーから立ち上がった。 「伊吹ごめん。ちょっと出てくる」 「え?どこに行くの?」 「…ちょっと駅近くのファミレス」 「そっか……。気をつけてね」 不安そうな表情のまま、伊吹は理由を聞かない。 言いたいけど柚の相談内容がちゃんとわかってからじゃないと、もし伊吹に危害が加わる事になるかもしれない。 「ありがとう」 蒼はほっとしたように微笑むと、家を出た。

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