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第61話 ーー接触 ③ 蒼sideーー

間に合ってくれ‼︎ 学生に場所を聞き出すと、蒼は無我夢中で駆け出す。 どうか… どうか、間に合って‼︎ …………。 あ!! 蒼が伊吹の姿を見つけた時、伊吹は車に乗り込もうとしていた。 そして、隣にいたのが、 !!!! 孝司さん‼︎‼︎ 「伊吹‼︎‼︎」 蒼は全速力で走りながら、大声で伊吹の名前を呼ぶ。 この声、伊吹に届いてくれ‼︎ 蒼がそう願うと、伊吹が蒼の方を見た。 「蒼、どうしたの?そんなに慌てて……」 酷く慌てている姿の蒼を見て、驚きながら伊吹は蒼を見た。 「孝……司さん…。伊吹に…何か…用ですか?」 蒼は伊吹のところまで走ってくるとギュッと伊吹を自分の方に引き寄せ、肩で息をしながら蒼が孝司を睨みつける。 「ちょっと伊吹くんに用事あってね」 孝司は蒼の睨みなど、何もないかのように微笑んだ。 「‼︎用事なら、俺が聞きます」 もしかして俺がいない時を狙ってた⁉︎⁉︎ 少しずつ冷静になってきたのか、睨まなくなったが孝司への警戒は解いていない。 「いや、今日はやめておくよ。じゃあまた今度、蒼くん、伊吹くん」 そういうと、孝司は車でその場を後にした。

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