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第82話 ー採血… 伊吹sideー

「そんなに疑わなくて大丈夫」 そういいながら、採血の準備を始める。 あー‼︎ 本当にするんだ。 採血…… 怯えた目で伊吹は助けを求めるように、瑆を見た。 「大丈夫。僕を信じて」 伊吹の怯えをわかってか、瑆が微笑む。 信じてって言われても…… 「じゃあ、いくよ」 注射針が伊吹の腕に近づいてくる。 あー‼︎ 本当にするんだね。 するんだね‼︎ 伊吹は採血されるところを見ないようにと、目をきつく瞑った。 さあ、こい‼︎ 採血注射め‼︎ ……………。 ……………。 ん? あれ? 今、腕を縛るゴムが外された感覚が…… 伊吹が恐る恐る目を開けると、 「はい、おしまい。どう?痛くなかっただろ?」 採血された血を瑆に渡す勇気の姿があった。 え‼︎ 採血終わったの? 全然痛くなかった… というか、刺されてるのわからなかった… 「結果が出るのに1時間ぐらいかかるけど、大丈夫?」 「あ、はい」 「よかった。じゃあ、その間、少し話聞いてもいい?」 勇気が微笑むと第一印象と違って優しく見え、 「それじゃあ、いつくか質問させてね」 伊吹は診察室に瑆、勇気と移動し問診を受けることになった。

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