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第92話 ーー和臣 ① 蒼sideーー
蒼は和臣に頼んだ。
『柚を助けて欲しい』と。
そして孝司に気づかれないようにと、もしもの事を考えて、
『救急車は出さないで』とも。
和臣は勤務中。
それでも
『わかった。そこで待ってろ』
それだけ言うと、すぐに電話を切った。
病院からモールまで、だいたい車で15分。
しかも兄さんは勤務中。
それまで柚がもつのか⁉︎
蒼の腕の中で時間が経つにつれ、柚がぐったりしていく。
兄さん‼︎早く‼︎
そんな願いが通じたのか、蒼が電話をしてから10分を少しすぎた頃、
「蒼、大丈夫か⁉︎」
ドアの外から和臣の声がした。
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